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鱗翅類 りんしるいLepidoptera; butterfly and moth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鱗翅類
りんしるい
Lepidoptera; butterfly and moth

鱗翅目に属する昆虫総称。いわゆるチョウを含む小~大型の昆虫で,普通2対の発達した翅をもち,体翅とも鱗片または鱗毛におおわれる。口器は原始的なコバネガを除いて長い吸収口 (口吻と呼ぶ) になり,使わないときはぜんまい状に巻いている。完全変態を行い,幼虫は普通円筒形の芋虫または毛虫で,口器は大腮が発達する。3対の胸脚と2~4対の腹脚があるが,まれに無脚のものもある。蛹は被蛹,まれに裸蛹で,チョウでは絹糸で他物に付着するものが多いが,ガではの中や地中で蛹化する。なお本類をチョウとガに分けるやり方は便宜的なもので,その区別点として,チョウでは触角が棍棒状で後翅に翅刺がないのに対し,ガでは触角が糸状,櫛歯状,葉片状で一様でなく,棍棒状のものでは翅刺が発達していることがあげられる。また一般にガは夜行性と考えられているが,昼間活動する種も多く,区別点とはならない。世界に約 20万種が知られており,そのうち約1万種がチョウである。

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デジタル大辞泉の解説

りんし‐るい【××翅類】

鱗翅目の昆虫の総称。チョウの類。全身に毛が密生し、複眼は大きく、らせん状の口器を伸ばし花蜜を吸う。体と二対の大形の翅(はね)は鱗粉に覆われ、華美な色彩をもつものがある。完全変態。幼虫は芋虫毛虫で、かむ口をもつ。

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百科事典マイペディアの解説

鱗翅類【りんしるい】

昆虫綱の1目。チョウ目ともいう。チョウやガの類。2対の大型の翅をもち,体翅とも細かい鱗粉や鱗毛でおおわれる。口器は吻(ふん)状で花蜜を吸うのに適する。完全変態。

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世界大百科事典 第2版の解説

りんしるい【鱗翅類 Lepidoptera】

昆虫の中で甲虫類に次いで種数が多い一群で,通常体全体の表面が鱗粉または鱗毛でおおわれている種類でチョウやガがこれに当たる。
[系統進化]
 鱗翅類は中生代に入って爬虫類が飛躍的な発展を遂げる三畳紀ころに特徴のある一群として分化したと考えられる。すなわちさなぎという期間をもち完全変態をするようになったシリアゲムシ目(長翅類)が,さらに進化し脈翅目(クサカゲロウなどの仲間)やトビケラ目(毛翅類)を派生した後,トビケラ目かそれに近い群から分化したと考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鱗翅類
りんしるい

昆虫分類学上の鱗翅目Lepidopteraのことを平易に鱗翅類という。いわゆるチョウ・ガの仲間で、例外なく、卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫の経過をとる完全変態の昆虫である。4枚のはねが鱗粉で覆われているのがもっとも目につく特徴で、鱗翅類(目)の名称はこれからきている。成虫の口器は特殊化して、液状物をとる吸収口となるが、原始的な少数の小ガ類はそしゃく型口器で、祖先の名残(なごり)をとどめている。
 一般に昼間活動性のチョウ類は、はねの色彩や斑紋(はんもん)が鮮やかで人目をひくが、夜間活動性のガ類はじみな色合いのものが多い。ただし、ガ類でも昼間活動性のものは華美な色彩のものがあり、はねの色彩はその活動時刻にかなり関連があるものと考えられる。
 幼虫時代の口器は成虫と違いそしゃく型で、その食べ物は植物質のものが多く、草木の葉、花蕾(からい)、実、落ち葉などを食べるもののほか、キノコ、コケ、地衣につくものがあり、草木の髄や樹幹に潜入するものもある。動物質食のものは、植物質食のものより二次的に転化(進化)したと考えられるもので、アブラムシやカイガラムシなどを捕食するもの、またセミ類の成虫に外部寄生するセミヤドリガのようなものもある。
 熱帯から寒帯まで植物の生える所であればどこでも分布しているが、その種類数は植物の豊富な場所に多く、極地周辺、半砂漠のような植物相の貧弱な場所には少ない。世界的にみれば、東南アジアおよび中・南アメリカの熱帯から亜熱帯にもっとも種類が多く、アフリカがこれに次ぐ。
 全世界に産する鱗翅目の既知種類は約15万種、そのうちチョウは約2万種、これは未開地のガの研究が不十分なためで、実数はおそらく20万種を超えるものと推定される。チョウの場合は調査が比較的によく行き届いているので、今後種類数が大幅に増える可能性は少ない。[白水 隆]

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世界大百科事典内の鱗翅類の言及

【チョウ(蝶)】より

…これはチョウに限ったことではないが,植物に依存する昆虫はその植物の生育する環境や気象条件に適応した結果独自の特徴をもち,科や属のレベルの分化が起こったと考えられる。
[分類]
 体のどの特徴で分類するかは学者の考えで異なるが,鱗翅目Lepidopteraの場合は前翅と後翅の翅脈の相違で区分する方法があり,前・後翅の形と翅脈がほぼ同じのものを同脈亜目Homoneura,そうでないものを異脈亜目Heteroneuraとし,おのおのをさらに細分化した。しかし現在用いられている方法は雌の生殖口が一つのものを単門類,二つに分かれているものを二門類とし,後者をさらに三つに分け計4亜目を細分するものである。…

※「鱗翅類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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