ナガサキシダ(読み)ながさきしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナガサキシダ」の意味・わかりやすい解説

ナガサキシダ
ながさきしだ / 長崎羊歯
[学] Dryopteris sieboldii (van Houtte) O. Ktze.

オシダ科の常緑性大形シダ。別名オオミツデ。太い根茎から少数の葉を叢生(そうせい)する。はっきりした頂羽片をもち、葉質は厚く、葉身は70センチメートルを超す。胞子嚢(のう)群は葉の裏に散在し、大形。千葉県以西の太平洋側、四国九州に分布している。中国大陸南部にも知られる。観葉植物として愛好され、ヨーロッパでも19世紀から栽植されている。羽片が深く切れ込むものをナガサキシダモドキD. toyamaeといい、三倍体で無配生殖によって殖えることができ、雑種と推定される。

[栗田子郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナガサキシダ」の意味・わかりやすい解説

ナガサキシダ(長崎羊歯)
ナガサキシダ
Dryopteris sieboldii

オシダ科の常緑性シダ植物。山地林床に生育し,関東地方の南部から九州および中国大陸に分布する。観葉植物として栽培される。根茎は塊状で,葉柄下部には披針形茶褐色鱗片をもつ。葉は長さ 70cm前後で,葉身は単羽状,羽片は細長く,胞子嚢群円形で羽片中に散在する。

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