ふつう春まき一年草として花壇や鉢植えに栽培されるノウゼンハレン科の多年草。和名をノウゼンハレン,キンレンカ(金蓮花)という。原種はつる性で1~2mにのび,葉はハスの葉に似た楯状,蠟物質を敷き水をはじく。花は温和な気温のもとで,葉腋(ようえき)から出る長柄に単生する。花色は黄,朱橙色など。花弁は5枚,下3枚には毛状体があり,これを包む5萼片は基部で合体して距となる。おしべは8本,子房は3心皮からなり,種子は3個。茎葉とともに果実は辛みがあるので辛味料として用いられる。原産地はペルー,コロンビア,ブラジルのアンデス山系の高地。春まきすれば初夏に咲くが,暑気を嫌い,夏は枯れることが多い。高冷地では夏を通して開花する。挿芽によっても繁殖できる。つる性種はフェンスや垣根に,また行灯作りによいが,改良種は矮性(わいせい)で花壇や鉢植えに適している。改良種ホワーリーバードWhirlybirdは矮性で花は受咲きで距がなく,茂みの上に出て咲く。斑入葉種は葉も美しいが,花はやや小さい。和名は花がノウゼンカズラに似て,葉はハスに似ているところからつけられたという。
ノウゼンハレン属Tropaeolumは南アメリカのアンデス山系を中心に40種以上が分布している。そのうちの1種タマノウゼンハレンT.tuberosum Ruiz.et Pav.(英名tuber nasturtium)はアンデス山系の古い食用塊茎作物で,現在でもチチカカ湖付近では栽培している。
執筆者:浅山 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ノウゼンハレン科(APG分類:ノウゼンハレン科)のつる性一年草キンレンカ(金蓮花)の英語名。ノウゼンハレンともいう。
[編集部 2020年11月13日]
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