改訂新版 世界大百科事典 「ノウゼンカズラ」の意味・わかりやすい解説
ノウゼンカズラ
(Chinese) trumpet-creeper
Campsis grandiflora (Thunb.) K.Schum.
ノウゼンカズラ科のよじのぼり型つる性木本で,冬は落葉する。大型で橙赤色の花を観賞するため庭に栽植される。葉は対生し,奇数羽状複葉,小葉は5~9枚,無毛であらい鋸葉がある。花は頂生する円錐花序につき,花序は通常垂れ下がり,花は横向きに咲く。花冠は広い漏斗形で径6cmほどあり,5裂する。花期は盛夏。原産地は中国大陸で,日本には9世紀にすでに渡来していた。欧米の温暖地でも栽植されている。花の干したものを漢方では凌霄花(りようしようか)といい,利尿,通経に用いるし,茎もよく似た目的に用いられる。コノウゼンC.radicans (L.) Seem.(英名trumpet vine,trumpet tree)は北アメリカ南東部原産で,名前のように花はやや小型で直径4cmほどである。花期は夏から初秋で,原産地からアメリカノウゼンカズラとも呼ばれる。どちらも日当りのよい肥えた土の所を好み,実生,挿木,取木などで繁殖する。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報