ニチレイ(読み)にちれい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニチレイ」の意味・わかりやすい解説

ニチレイ(株)
にちれい

低温物流冷凍食品でトップの食品会社。1942年(昭和17)水産統制令に基づき、水産食糧品の計画的集荷・貯蔵・供給を目的に国策会社として設立された帝国水産統制株式会社が前身。第二次世界大戦後の1945年に日本冷蔵改組、一般会社となった。昭和30年代に、食品の大量冷凍流通時代への対応を進め、大消費地や主要漁港を中心に大型冷蔵倉庫を建設する一方で、総合食品企業を目ざし、水産加工、食品加工、畜産、海外水産基地など事業の多角化を推進した。その後も食生活スタイルの変化や消費者ニーズに対応した商品を開発し、冷凍食品や調理品缶詰の分野で多種生産を展開し、85年にニチレイ社名変更した。倉庫網を利用した低温物流サービス事業、冷凍食品・缶詰・レトルト食品・飲料からなる加工食品事業、水産・畜産品を柱とした食料事業、賃貸ビルの不動産事業の四つを事業の中核とし、バイオテクノロジーを利用した事業にも取り組み、2005年には、加工食品事業、水産・畜産事業、低温物流事業、バイオサイエンス事業、シェアードサービス事業の会社分割を実施し、持株会社へ移行した。資本金303億円(2008)、売上高4636億円(2008。連結ベース)。

[中村青志]

『日本冷蔵株式会社編・刊『日本冷蔵株式会社二十五年の歩み』(1973)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニチレイ」の意味・わかりやすい解説

ニチレイ

低温物流トップの総合食品会社。 1942年水産統制令により日本水産などの製氷冷凍加工部門を分離して設立された帝国水産統制を前身とする。 45年水産統制令廃止により日本冷蔵の社名で発足。製氷,冷蔵,凍結事業を中心に水産物,冷凍食品,農畜産物の製造加工販売その他を幅広く経営している。 85年現社名に変更。売上構成比は,加工食品 40%,水産品 29%,畜産品 18%,低温物流 12%,不動産1%。年間売上高 5717億 7500万円 (連結) ,資本金 303億 700万円,従業員数 2511名 (1999) 。

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