ニホンウナギ(英語表記)Anguilla japonica; Japanese eel

共同通信ニュース用語解説 「ニホンウナギ」の解説

ニホンウナギ

日本や中国、韓国台湾などに分布するウナギ。日本から約2千キロ離れたマリアナ諸島付近の海域産卵場所とされるが、生態に謎が多い。日本沿岸に流れ着く稚魚(シラスウナギ)は国内で養殖に利用されている。近年は採捕量減少による価格高騰で稚魚は「白いダイヤ」とも呼ばれる。密漁密輸が後を絶たない。高知県では昨年3月、シラスウナギの販売で違法に約6億円を稼いだ会社の経営に、特定抗争指定暴力団山口組系組員が関与していたことが判明した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニホンウナギ」の意味・わかりやすい解説

ニホンウナギ
Anguilla japonica; Japanese eel

ウナギ目ウナギ科の魚。体長最大約 1.5m。体は細長く円筒状,尾部は側扁する。背部は暗色,腹部は白色。鱗は皮下に埋没していて,体表は分泌される粘液でぬるぬるしている。5~10年ほど淡水域で過ごし,産卵のため海に下る。これを「下りウナギ」と称する。産卵はマリアナ諸島西方の海山域で行なわれる。仔魚はレプトケファルスといい,細長い木の葉状をしている。北赤道海流黒潮に輸送され,体長 5~6cmでシラスウナギに変態すると黒潮を降り,沖合いから岸へ接岸回遊をする。河口に達したシラスウナギはやがて色素が発達したクロコとなって川を上る。シラスウナギを捕えて養殖する。おもに蒲焼で食される。日本,朝鮮半島,中国の河川の中・下流湖沼,河口域,沿岸海域に分布する。乱獲や河川環境の悪化などが原因で資源が減少したため,2013年に環境省から,2014年に国際自然保護連合 IUCNから絶滅危惧種に指定された。

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