ニュルンベルク法(英語表記)Nürnberger Gesetze

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ニュルンベルク法」の解説

ニュルンベルク法(ニュルンベルクほう)
Nürnberger Gesetze

1935年9月,ニュルンベルクナチ党全国大会に合わせ招集された国会で採択された二つのユダヤ人差別立法の総称。一つはドイツ公民法で,ドイツ公民の要件を「ドイツ人とその近縁人種の血の所有者」と規定して,ユダヤ人から公民権を剥奪した。第二は「ドイツ人の血と名誉を守る法」で,ユダヤ人とドイツ人との結婚,婚外性交の禁止,ユダヤ人のドイツ国旗掲揚禁止を定めた。それまでの反ユダヤ政策の総括であり,ユダヤ人のドイツ社会での隔離を決定づけた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ニュルンベルク法」の解説

ニュルンベルク法
ニュルンベルクほう

1935年9月15日にヒトラー政権下のドイツで制定されたユダヤ人に対する差別法
ユダヤ人を第2級の市民とした「公民法」と,ユダヤ人と「アーリア人」の結婚や性交渉を禁じた「ドイツ人の血と名誉を守るための法」からなり,これに違反したものは強制収容所に送られた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニュルンベルク法」の意味・わかりやすい解説

ニュルンベルク法
ニュルンベルクほう
Nürnberger Gesetze

1935年9月 15日,ニュルンベルクのナチス党大会で A.ヒトラーが公表,発布した法律。ドイツ人とユダヤ人との結婚を禁じ,ユダヤ人から市民権を奪うなど,この法律によってユダヤ人は事実上あらゆる権利を剥奪された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のニュルンベルク法の言及

【ユダヤ人】より

…とくに彼は広範な社会層にみられた資本主義に対する批判,議会制民主主義への失望を,〈ユダヤ人資本家〉〈ユダヤ人議会政治家〉に対する攻撃によってとらえ,同時にドイツ的国民社会主義すなわちナチズムを,〈ユダヤ的〉国際主義的社会主義と対置することにより民衆の社会主義への志向をすくい取ろうとした。 1933年ナチスの権力掌握後,第三帝国政府は35年いわゆるニュルンベルク法を制定し,ユダヤ教徒だけではなく,たとえユダヤ教を捨てていてもその祖父母4人のうち3人がユダヤ教徒であった者は〈完全ユダヤ人〉とみなすという〈血の理論〉に基づいて〈ユダヤ人〉を設定し,彼らから市民権を奪い,彼らの市民生活さらに私生活にあらゆる制限を加え,38年11月にはポーランド人青年による在パリ・ドイツ大使館員狙撃事件を口実に,〈ユダヤ人〉に対する大規模な迫害・略奪を行った。同時に〈ユダヤ人〉政策の主要推進力となったSS(ナチス親衛隊)は,〈ユダヤ人〉の国外追放を進めた。…

※「ニュルンベルク法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android