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隔離 かくりisolation

翻訳|isolation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

隔離
かくり
isolation

ある大きな交配集団で,なんらかの原因で任意交配が成立しない現象をいう。ヒトの場合,海洋,山脈,河川,砂漠などにより他集団との婚姻がきわめて困難な場合に起る地理的隔離と,人種,言語,風俗習慣,社会的地位の差などによって相互間の婚姻が困難なために生じる社会的隔離とがある。近代文明が発達するにつれて隔離は急速に打破されつつある。一般生物集団においては生理的隔離も影響し,進化の過程で重要な役割を演じてきた。

隔離
かくり
isolation

感染症患者や,感染症発生の可能性のある場合に,個人や集団を一定の場所に引離しておくことをいう。有効な対策であるが,人道的でないということで,最近はあまり行われない。日本では旧伝染病予防法において,法定伝染病 10種,および法令によって定められたその他の感染症の患者は,専用の隔離病院に収容して,感染を防ぐことになっていた。 1999年施行の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律においては,ペストなど1類感染症患者に対しても「入院」という措置が示されている。

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デジタル大辞泉の解説

かく‐り【隔離】

[名](スル)
へだたること。へだて離すこと。
「小さい私と広い世の中とを―している此硝子戸(ガラスど)の中へ、時々人が入って来る」〈漱石・硝子戸の中〉
伝染性の病原体の蔓延(まんえん)を防ぐためなど、他から引き離して接触を避けること。「患者を隔離する」
交配の可能な生物集団が、地理的あるいは生理的・遺伝的な条件の違いによって交配ができず、また交配しても次世代ができにくくなり、遺伝子の交流が妨げられる現象。

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世界大百科事典 第2版の解説

かくり【隔離 isolation】

生物学用語。互いに交配可能な個体の集りである集団が種々の原因でいくつかの分集団に分かれ,分集団間で自由な交配が起こりにくくなったり,たとえ交配してもその雑種が不稔や不妊であって,集団間の遺伝子の交流が極度に妨げられることを隔離という。
隔離説
 地理的隔離が種分化に重要な役割を演じているという考えは,古くC.ダーウィンやそれ以前までさかのぼることができる。しかし隔離は地理的に異なった集団には異なった要因による自然淘汰が働くという意味での副次的な役割をもつにとどまらず,隔離こそが種分化必要条件だとする隔離説Separationstheorieを唱えたのはワーグナーM.Wagner(1868)であった。

かくり【隔離】

医学用語。伝染病が広がるのを防ぐために,患者,疑似症者,保菌者,または接触者などを,一般の社会生活環境から切り離して生活させること。伝染病予防法に基づき,法定伝染病,指定伝染病に対して行われる。感染指定伝染病法定伝染病【編集部】

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大辞林 第三版の解説

かくり【隔離】

( 名 ) スル
へだたること。へだたり。 「自分と富岡の死との間には天地の-があつて/死 独歩
他のものから引き離して別にすること。 「赤痢患者を-する」
交配可能な生物集団が生態的・地理的要因などにより互いに交配できなくなる現象。種分化の原因となる。

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世界大百科事典内の隔離の言及

【防衛機制】より

… 防衛機制にはさまざまなものがあるが,どの防衛機制をもっぱら優先的に用いるかによって,個人の性格も違ってくるし,防衛機制が破綻したときに(防衛機制はもともと不合理なものだから,成功したとしても一時逃れだが)生じる精神疾患の種類も違ってくる。たとえば〈抑圧〉とヒステリー,〈反動形成〉および〈分離(隔離)isolation〉と強迫神経症,〈投射(投影)〉とパラノイアは関係が深いといわれる。防衛機制のもっとも基本的なものは,自我を脅かすふつごうな観念や感情を無意識へと追いやる〈抑圧〉であるが,抑圧したからといってそれらの観念や感情は消滅しないので,さらにいろいろと防衛機制が必要となる。…

【防衛機制】より

… 防衛機制にはさまざまなものがあるが,どの防衛機制をもっぱら優先的に用いるかによって,個人の性格も違ってくるし,防衛機制が破綻したときに(防衛機制はもともと不合理なものだから,成功したとしても一時逃れだが)生じる精神疾患の種類も違ってくる。たとえば〈抑圧〉とヒステリー,〈反動形成〉および〈分離(隔離)isolation〉と強迫神経症,〈投射(投影)〉とパラノイアは関係が深いといわれる。防衛機制のもっとも基本的なものは,自我を脅かすふつごうな観念や感情を無意識へと追いやる〈抑圧〉であるが,抑圧したからといってそれらの観念や感情は消滅しないので,さらにいろいろと防衛機制が必要となる。…

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