ニューズウィーク(読み)にゅーずうぃーく(英語表記)Newsweek

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニューズウィーク」の意味・わかりやすい解説

ニューズウィーク
にゅーずうぃーく
Newsweek

タイム』とともにアメリカを代表するニュース週刊誌。1933年2月創刊。初めは『タイム』をまねた雑誌と批判されて、つねに『タイム』の後塵(こうじん)を拝してきた。「ブーズウィーク」(酒飲みがつくる週刊誌)ともいわれたが、1960年『ワシントン・ポスト』紙のフィリップ・グレアムPhilip Grahamに買収され、1961年にオズボーン・エリオットOsborn Elliotが編集長に就任するに及んで、面目を一新した。「オズ」の愛称で親しまれた生粋ニューヨーカーであるエリオットは、黒人問題、ケネディ大統領暗殺、ベトナム戦争、スチューデント・パワーなどを積極的に取り上げて報道し、『ニューズウィーク』を1960年代の「熱い雑誌(ホット・ブック)」にのし上げた。署名入りの記事を初めて掲載したのも『ニューズウィーク』である。ビートルズやトゥイギーを最初にカバー・ストーリーにしたのは『タイム』ではなく『ニューズウィーク』だった。発行部数約400万部(2010)。1986年(昭和61)1月、日本版が創刊された。

常盤新平

『オズボーン・エリオット著、竹林卓訳『「ニューズウィーク」の世界』(1984・時事通信社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューズウィーク」の意味・わかりやすい解説

ニューズウィーク
Newsweek

アメリカ合衆国ニューヨーク本拠を置くニュース週刊誌。1933年,『タイム』(1923創刊)の海外ニュース担当編集者トーマス・J.C.マーティンが,『タイム』と体裁を似せて News-Weekとして創刊。1937年に誌名からハイフンがとれ,Newsweekとなった。初期の頃は分析的な署名入り囲み記事でニュースを解説し,『タイム』『U.S.ニュース&ワールドリポート』と並ぶアメリカ三大ニュース週刊誌と称された。1961年『ワシントン・ポスト』の発行人であるフィリップ・L.グラハムに買収され,経営を刷新。政治的にリベラルな視点を導入し,大衆文化の記事も拡大,物語性のある文体も相まって多くの読者を獲得した。2010年,アメリカの企業家シドニー・ハーマンに買収された。『タイム』と同様,『ニューズウィーク』は 21世紀にまでに硬派の記事からいくぶん撤退し,有名人のネタなど一般大衆向けの記事掲載に力を入れるようになったが,記事の正確さや切れ味などで確固たる評価を維持し続けた。最盛期には世界で 400万部以上を売り英語による国際版のほか,日本語版(1986創刊),韓国語版,スペイン語版などの外国語版も創刊された。2011年初めにイギリス人編集者ティナ・ブラウンが立ち上げたニュースサイト「デーリー・ビースト」の運営会社と合併し,ブラウンが編集長に就任,2012年12月31日付をもってオンライン版に完全に移行し,印刷版の発行を終えた。しかし,2013年に新興のメディア企業 IBTメディアに売却され,2014年3月に印刷版が復活した。

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