インターネットを利用してモノやサービスの売買、契約などをする取引。1990年代後半から一般家庭にネットが普及したことに伴い利用者が急増し、市場も拡大してきた。消費者がネット上で運営される仮想商店などのサイトを見て商品を注文すると、家電や食品などが自宅に届く。ネット経由でゲームや音楽をスマートフォンに取り込むこともできる。ここ数年は生鮮食品や衣料品の売買も活発化している。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
インターネットを通じて物やサービスを購入する通信販売の一手法。ネットショッピングともよばれ、ダイレクト・マーケティングの一種である。店舗や店員が不要なため固定費や人件費を抑制でき、物やサービスの価格・料金を低めに抑えられる利点がある。過去の購入履歴に応じて好みの商品を推薦するレコメンド機能などがついていることが多い。IT(情報技術)企業などによるネット通販の専業のほか、小売業者が提供する場合もある。「アマゾン・ドット・コム」のように運営企業が商品を仕入れて販売するサービス形態と、「楽天市場」のように出店企業を募ってネット上に仮想商店街をつくるサービス形態に大きく分けられる。扱う商品・サービスは食品、日用品、書籍・CD、家電製品、一般用医薬品(大衆薬)、保険や外国為替(かわせ)などの金融商品、航空券など多岐にわたる。有料の音楽配信や映画配信、出会い系サイトなど有料サイトサービスをネット通販に含める考え方もある。ただ大衆薬の一部は、副作用のリスクなどを理由に薬剤師の対面販売を義務づけており、すべての商品・サービスをネット通販できるわけではない。決済方法はクレジットカード、銀行振込み、代金引換、コンビニエンス・ストア決済、電子マネーなど多様である。
ネットが普及し始めた1990年代なかばにサービスが始まった。スマートフォン(スマホ)の普及、注文から1時間で届けるなどの配達時間の短縮、駅などの専用ロッカーで商品を受け取る宅配ロッカー(ボックス)の登場など利便性が向上し、消費が低迷する日本でもネット通販は着実に市場規模を拡大。2016年(平成28)の市場規模は15.1兆円に達した。うち約3割がスマホ経由の購入である。一方、商品が届かないなど国民生活センターへの苦情・相談件数は毎年増加し、2016年には25万件を超えた。日本の特定商取引法では、ネット通販業者に氏名(または名称)、住所、電話番号の表示を義務づけ、広告に表示すべき事項も規定しているが、トラブルは後を絶たない。またネット通販は最終的に商品を消費者へ届ける必要があり、市場拡大に伴って宅配便の取扱数が急増し、宅配事業者の労務難、配達員らの負担増大、配達コストの上昇などの問題を招いている。
[矢野 武 2018年1月19日]
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