のう(読み)ノウ

デジタル大辞泉 「のう」の意味・読み・例文・類語

のう[終助・間助]

[終助]文末の種々の語に付く。話し手感動を表す。「ちょっと見ないうちに大きくなったのう」「よくやったのう
「又ささに酔はしられたものぢゃ―」〈虎明狂・乞聟〉
[間助]念を押す意を表す。「だがのう、まだ死ぬわけにはいかんのじゃ」→なあ
「それを誰が問へば―、よしなのとはずがたりや」〈閑吟集
[補説]「のう」は、もとは「なう」の形で中世後期以降用いられたが、近代以降は「ね」「ねえ」「なあ」が一般化し、現在では主に、方言として西日本で用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「のう」の意味・読み・例文・類語

のうなう

  1. 〘 感動詞 〙
  2. 相手に呼びかけるときに発することば。もし。の。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「是はなう母御、何くへ行給ふぞ」(出典:太平記(14C後)一一)
  3. 感情の高ぶった時に発することば。ああ。
    1. [初出の実例]「のう親類とても親とても、尋ねぬこそ理なれ」(出典:謡曲・隅田川(1432頃))

のうなう

  1. 〘 間投助詞 〙 ( 助詞「な」の変化したもの ) 文節末にあって感動を表わす。
    1. [初出の実例]「まして母とても尋ねぬよのう」(出典:謡曲・隅田川(1432頃))

のうの補助注記

語源については終助詞「の」の長音化とする説がある(湯沢幸吉郎「徳川時代言語の研究」「江戸言葉の研究」)。しかし、「ロドリゲス日本大文典」の例が nǒ と開長音で記されているところから「な」から分化したものとする説もある。

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