(読み)ネ

デジタル大辞泉「ね」の解説

ね[終助・間助]

[終助]文末の種々のに付く。
軽い感動・詠嘆を表す。「いい眺めです」「よくしゃべる人だわ
相手の同意・返答などを期待する意を表す。「君の郷里は青森でした」「そろそろ出かけよう
自分の考え・気持ちを主張する意を表す。「その方法はまずい」「彼はりっぱな人だと思います
上代語》動詞・動詞型活用語の未然形、禁止の「な…そ」に付いて、他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。
「この岡に菜摘ます家聞かな名告らさ—」〈・一〉
「大き海の水底照らし沈く玉いはひて取らむ風な吹きそ—」〈・一三一九〉
[間助]文節切れ目に付いて、相手の注意をひくように語勢を添えたり、語調を整えたりする意を表す。「しかし、こっちだって、都合があるんだよ」
「あれから—、わたしを送ってやらうとって」〈浮世風呂・二〉
[補説]13は近世後期以降話し言葉に用いられる。同じ用法の助詞「な」よりも語勢は柔らかい。「ねえ」となることもある。

ね[五十音]

五十音図ナ行の第4音。歯茎鼻音の有声子音[n]と母音e]とから成る音節。[ne]
平仮名「ね」は「祢」の草体から。片仮名「ネ」は「祢」のから。

ね[助動]

[助動]《完了の助動詞「ぬ」の命令形》⇒[助動]
[助動]《打消しの助動詞「ぬ」の已然形》⇒[助動]

ね[感]

[感]親しみをこめて呼びかけたり、を押したりするときに言う語。「、聞いて」「、いいよね」

ね[接尾]

[接尾]《上代語》人を表す名詞に付いて、親愛の意を表す。「いろ」「な

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精選版 日本国語大辞典「ね」の解説

〘間投助〙 文節の終わりに付けて、相手に念を押し、あるいは軽い感動を表わす。
※洒落本・一向不通替善運(1788)「コヲおとさん、とんだけふはさむい
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「いづれサ、他人のをたべねば、他の想像(おもひやり)がございませんのさ」
蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉四「ぢゃ、まだ子供には何も話してないんだ?━」
[補注](1)「浮世風呂」では男女とも同じように使用している。待遇的には、下位者から上位者に対して、また上層の対等のもの同士が用い、「ます」「ございます」などの丁寧語に続く例も多い。
(2)現代東京語では男女で接続上の違いがみられ、男性語は「ね」の前に「だ・か」がきて「そうだね」「そうかね」のように、女性語は「わ・よ」がきて「そうだわね」「そうよね」のように用いることが多い。「です」「ます」に付く「そうですね」などは男女両用。

〘終助〙 文末にあって動詞型活用の語の未然形および禁止の「な…そ」をうけ、他者の行動の実現を希望する意を表わす上代語。下に感動の「も」の添った「ねも」の形もある。→補注。
古事記(712)上・歌謡「うれたくも 鳴くなる鳥か この鳥も 打ち止(や)め こせ(ネ)
万葉(8C後)五・八〇〇「石本より 成りてし人か 汝が名告らさ(ネ)
※万葉(8C後)二〇・四三三五「今替る新防人が船出する海原の上に浪な開(さ)きそ(ネ)
[補注]他者の行動の実現を希望する助詞には、このほか「なも」「なむ」があるが、これらは三人称的なものの行動・状態に関するものであり、しかも実現可能度の低い場合が多いのに対して、「ね」は二人称的なものの行動の実現を願い、その実現可能度が高い。その点、命令形に近い表現と言い得る。

〘接尾〙 男女を問わず、親愛・尊敬の気持で相手を呼ぶときに用いる語。上代語「いろね」「なね」など。ただし、それぞれ「いろと(同母弟)」「なおと(汝弟)」と対をなして用いられるので、この「ね」は接尾語でなく、「え(兄)」の変化した形とも考えられる。

〘感動〙 親しみをこめて、呼びかけたり念を押したりする時にいう。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「何でも引立(ひったて)られねへ程のが三十六文さ。ネ、おまへ。の潰れた話だネ」

[1] (打消の助動詞「ず」の已然形) ⇒ず〔助動〕
[2] (完了の助動詞「ぬ」の命令形) ⇒ぬ〔助動〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「ね」の解説

五十音図第5行第4段の仮名。平仮名の「ね」は「祢」の草体から、片仮名の「ネ」は「禰」の偏からできたものである。万葉仮名では「尼、泥、念、年、禰、涅(以上音仮名)、根、宿(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(祢)」「(年)」「(子)」「(念)」などがある。

 音韻的には/ne/で、舌先と上歯茎との間を閉じた舌内鼻音の[n]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「ね」もあった(「輪廻(リンネ)」「尊詠(ソンネイ)」……)。

[上野和昭]

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