ハインリヒ5世(読み)ハインリヒごせい(英語表記)Heinrich V

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハインリヒ5世」の意味・わかりやすい解説

ハインリヒ5世
ハインリヒごせい
Heinrich V

[生]1086.8.11.
[没]1125.5.23. ユトレヒト
ザリエル朝最後のドイツ王 (在位 1098~1125) ,神聖ローマ皇帝 (在位 06~25) 。叙任権闘争 (→叙任権論争 ) 期の不幸な皇帝ハインリヒ4世次男晩年の父帝にそむいたが,その死後,神聖ローマ皇帝に即位。彼の時代においてもドイツ諸侯は反乱気配を示し,辺境地方も不安であり,ローマ教皇庁との和解も容易ではなかった。在世中しばしばイタリアに遠征し,ときには対立教皇をさえ擁立したが,ドイツ諸侯反乱のおそれのために妥協せざるをえず,1122年の「ウォルムス政教条約」で父帝が未解決のまま残した叙任権闘争を妥協的な形で終息させた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報