食の医学館 「はげ・若はげ」の解説
はげわかはげ【はげ・若はげ】
《どんな病気か?》
〈遺伝や老化、頭皮の緊張など原因はさまざま〉
はげ、つまり頭髪が細くなったり抜けたりする症状にはいろいろな種類があります。
もっとも多いのが男性型脱毛症(だんせいがただつもうしょう)と呼ばれるもので、頭髪に男性ホルモンが作用することで、かたい毛が軟毛(なんもう)に変化するものです。日本人男性では約3割にこの傾向があります。
思春期以降、脱毛症状が前頭部や頭頂部に現れ、一定パターンで進行し、最終的には側頭部、後頭部以外は全部ツルツルにはげた状態になってしまいます。
早い時期から症状が現れるケースが、いわゆる若はげです。
原因には、遺伝、老化、ストレス、暑さによるむれ、まちがったヘアケア、頭皮の緊張などがあります。頭皮の緊張とは、頭の皮膚に弾力性がなくなり、かたくなって血液の循環が悪化し、毛の成長のもとになる部分が栄養失調になることです。
《関連する食品》
〈日ごろから良質のたんぱく質をとって脱毛を予防〉
○栄養成分としての働きから
はげが気になる人は、まず、たんぱく質不足をチェックしてみましょう。毛はケラチンというたんぱく質でできており、過激なダイエットやかたよった食生活などによってたんぱく質がとれないと、抜け毛の原因となります。日ごろから魚やダイズなど、良質のたんぱく質を積極的にとりましょう。
なかでも牛肉、サケ、牛乳、オートミールなどには、脱毛予防、解毒作用のあるアミノ酸のシスチンが含まれており、効果的です。
ほかに、イノシトール、ビオチン、パラアミノ安息香酸(あんそくこうさん)(PABA)といったビタミンB群の仲間や亜鉛(あえん)にも脱毛を予防する働きがあります。
イノシトールはオレンジやスイカ、メロン、グレープフルーツなどのくだものやレバーに豊富です。ビオチンはイワシ、ピーナッツ、たまごなどに、パラアミノ安息香酸は牛乳、ジャガイモ、たまごなどに、亜鉛はカキ、牛もも肉、たらこなどに多く含まれ、レバーにはこれらすべてが含まれています。
男性型脱毛症の大きな原因となる老化を防ぎ、血行をうながす働きのあるビタミンEも有効です。ビタミンEはビタミンCとともにとると効果的なので、EもCも含むカボチャ、ブロッコリーといった緑黄色野菜がおすすめです。また、青背の魚やたらこにも、ビタミンEが多く含まれています。