ハダカホオズキ(読み)ハダカホオズキ(その他表記)Tubocapsicum anomalum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハダカホオズキ」の意味・わかりやすい解説

ハダカホオズキ(裸酸漿)
ハダカホオズキ
Tubocapsicum anomalum

ナス科の多年草で,東南アジア熱帯から暖温帯にかけて広く分布する。日本では本州,四国,九州と南西諸島小笠原諸島伊豆七島の一部などにみられ山地木陰に生える。茎は高さ 60~90cmになり叉状に分枝する。葉は互生し,大きく,長楕円形で長さ8~18cmあり,全体に毛はない。秋に,2~4個の淡黄色の花を葉腋から下垂する。萼は小さな皿状,花弁は短い鐘形で直径約 8mm,先は5裂しそり返る。果実は液質の球形で径7~10mmとなり赤熟する。近縁変種にマルバハダカホオズキ T. anomalum var. obtusumがある。和名はホオズキに似ているが,果実が包葉に包まれず裸であるところからついた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハダカホオズキ」の意味・わかりやすい解説

ハダカホオズキ
はだかほおずき / 裸酸漿
[学] Tubocapsicum anomalum (Fr. et Sav.) Makino

ナス科(APG分類:ナス科)の多年草。茎は高さ60~90センチメートル。葉は卵形で薄く、先はとがる。8~10月、葉腋(ようえき)に白色で、のちに淡黄色に変わる5弁花を下向きに開く。果実は球形で、赤色に熟す。丘陵の林内や林縁に生え、本州から沖縄、小笠原(おがさわら)、および台湾、中国南部、東南アジア、インドにかけて分布する。名は、ホオズキ属のように果実が萼(がく)に包まれず、裸であることによる。ハダカホオズキ属は、萼は花期後に果実を包まず、葯(やく)は縦裂する。アジアには本種のほかにマルバハダカホオズキが分布する。

[高橋秀男 2021年7月16日]


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