改訂新版 世界大百科事典 「ハッシンガー」の意味・わかりやすい解説
ハッシンガー
Hugo Hassinger
生没年:1877-1952
オーストリアの地理学者。A.ペンクやE.ジュースに学ぶ。スイスのバーゼル大学,ドイツのフライブルク大学教授を経て1931年より20年間ウィーン大学教授。第2次大戦後はオーストリアの科学アカデミーに応用的地域研究と再建のための委員会を設けるなど,ヨーロッパの代表的地理学者の一人として20世紀前半における地理学の発展に大きく貢献した。代表的著書は《歴史の地理学的基礎》(1931)と《一般人文地理学》(1938)。後者は有名なクルーテの《地理学双書》に収められた400ページの大著で,F.ラッツェル以来の優れた人文地理学の体系書である。このほか,ウィーンの都市研究,多方面にわたる地図学上の作品,《チェコの地誌》(1925)などがある。
執筆者:西川 治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報