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自然地理学 しぜんちりがくphysical geography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然地理学
しぜんちりがく
physical geography

一般地理学の二大部門の一つ。人文地理学に対する語で,地球表面の自然現象そのものを研究するにとどまらず,人間との関連や地域的観点から研究する。通常,大地を取巻く大気現象,地球表面に分布する海水および陸水地殻の表面形態やその構成物質,地球上に生息する生物の分布などをおもな研究対象とし,気候学,水文学,地形学,土壌地理学,生物地理学などの諸分野があり,それぞれ独立科学として発達している。

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デジタル大辞泉の解説

しぜん‐ちりがく【自然地理学】

地理学の一部門。地形・気候・海洋・陸水・土壌・生物などの自然的環境について、その分布や相互関係、人間との関係などを研究する。→人文(じんぶん)地理学

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百科事典マイペディアの解説

自然地理学【しぜんちりがく】

自然的環境を総合的に研究する地理学の一部門。人文地理学の対。気候学,地形学,土壌地理学,海洋地理学,水文学,生物地理学などの分科を含み,地質学,気象学,生物学などと密接に関連。
→関連項目地理学

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世界大百科事典 第2版の解説

しぜんちりがく【自然地理学 physical geography】

地理学の中には地誌と一般地理学があり,一般地理学は自然地理学と人文地理学とに分けられる。自然地理学の目的は人間の居住地としての地表を対象として,人間生活に関係がある自然現象を記述することにある。自然地理学は古くは地文学とよばれたものに相当するが,T.H.ハクスリーがはじめて使用したフィジオグラフィーphysiographyという言葉もアメリカでは一時よく使われた。自然科学が十分に発達していない時代には天文,気象,海洋,火山,地震,地質などに関することも地文学の教科書に記載されていた。

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大辞林 第三版の解説

しぜんちりがく【自然地理学】

地理学の一分野。人間生活の基盤としての自然現象を研究する。地形学・気候学・水文学すいもんがく・土壌地理学・生物地理学などを含む。 ↔ 人文地理学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然地理学
しぜんちりがく
physical geography

地理学の一分科。地理学は地球表面に生起する自然や人文現象の一般的・原理的研究を行う系統地理学と、個々の地域研究を行う地誌学とに分類されるが、自然地理学は人文地理学とともに前者に属する。[市川正巳]

研究対象

自然地理学は、地球上に生起する自然現象を、その分布・配置関係や現象相互の関係などから考察する科学で、19~20世紀にこの面で多くの重要な貢献をしてきた。地球表面は、大気圏・岩石圏・水圏が接触する場で、これらの2圏あるいは3圏が互いに接触して、複雑な自然現象がおこる。たとえば、大気圏と岩石圏が接触して、岩石の表面が大気の温度(気温)の変化によって崩壊して細分化され、土壌を生成する風化現象をもたらす。これにさらに水圏の作用が加わり、岩石が融解凍結によって風化されて土壌生成を促進する。大気現象によって降雨(雪など)があって山地の表面が侵食されて河川が生じ、物質を侵食し、それを運搬してエネルギーが消耗すると物質を沈殿し堆積(たいせき)させる。このように、地球表面に生起する自然現象は、現象そのものとしてもきわめて複雑であり、自然地理学では、これらの現象を対象として取り扱い、それらの現象の生起するプロセスや分布などを究明する。[市川正巳]

分野

自然地理学は、その取り扱う対象の種類によって、地形学、気候学、水文(すいもん)学(陸水学)、生物地理学、土壌地理学などに分類される。これらの各分野は、それぞれ独自の発達をしてきたのであるが、しかし、いずれもその対象は、地球上のある地域であることと、人間生活の自然的基礎としての自然環境の重要な要素を取り扱っていることである。たとえば、気候学では、大気現象の物理学である気象学と異なり、ある一定地域における大気現象の平均的状態を問題とし、人々の生活との関連に貢献できるよう研究されている。
 水文学においても、その取り扱うものは陸地の水であるが、抽象されたH2Oとしての水ではなく、具体的な地域――関東地方、利根(とね)川流域など――の水を取り扱うところに、地理学、ひいては自然地理学の一分科となっているのである。
 気候学は、とくに広範な地域システムを確立したハーバートソンA. J. Herbertson、マルトンヌE. de Martonne、ケッペンおよびソーンスウェートC. W. Thornthwaiteら気候学者の功績によって著しく発達した。また、20世紀初頭に目覚ましい業績をあげて、近代科学としての地理学の基礎を確立したW・M・デービス、サリスベリーR. D. Salisbury、アトウッドW. W. Atwoodらはいずれも地形学者であるが、地理学者としても名声を博した。とくにデービスの侵食輪廻(りんね)説に挑戦したW・ペンクは、斜面発達の研究によってデービス流のアプローチと相対し、自然地理学とくに地形学の発達を促した。またマーブートC. F. Marbutは、19世紀に発達したロシアの土壌科学の概念を導入して、世界の土壌の地理的分布の説明に大きく寄与している。[市川正巳]

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世界大百科事典内の自然地理学の言及

【地理学】より

…ふつう地理学は,系統地理学systematic geographyまたは一般地理学general geographyと,地域地理学regional geographyまたは地誌学,特殊地理学specific geographyとに大別される。 系統地理学は,自然地理学と人文地理学とに分けられる。系統地理学では,空間複合体の中から,たとえば地形,人口,農業,交通,都市などの要素または事象を抽象して分析するので,一国,大陸,世界全体にわたる分布形態,分布の粗密を図示したり,分類や比較研究を行いやすい。…

※「自然地理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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