ハミード・ウッディーン(その他表記)Ḥamīd al-Dīn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハミード・ウッディーン」の意味・わかりやすい解説

ハミード・ウッディーン
Ḥamīd al-Dīn

[生]? バルフ
[没]1163
ペルシアの文学者。バルフにおいて法官をつとめた。アラビア文学で名高いハマダーニーとハリーリーの『マカーマート』にならって,1156年ペルシア語で 24のマカーマ (語り物文学) から成る『ハミードのマカーマート』 Maqāmāt-e Hamīdīを執筆。これは中世ペルシア文学史上,華麗,技巧的文体手本として高く評価され,後世の散文文学にかなりの影響を及ぼした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハミード・ウッディーン」の意味・わかりやすい解説

ハミード・ウッディーン
はみーどうっでぃーん
amīd al-Dīn
(?―1163)

ペルシアの文人。バルフで裁判官を務め、1156年、語り物文学の粋『マカーマート』を執筆した。アラビア文学で著名な『マカーマート』に倣いペルシア語で書かれたこの書は、セルジューク朝後期におけるもっとも技巧的、華麗な文体の作品としてペルシア散文史上に特筆され、後世に大きな影響を与えた。とくに同時代詩人、文人にきわめて高く評価された。

[黒柳恒男]

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