日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルシャギク」の意味・わかりやすい解説
ハルシャギク
はるしゃぎく / 春草菊
[学] Coreopsis tinctoria Nutt.
キク科(APG分類:キク科)の耐寒性一年草。アメリカ原産。全株無毛。高性種は1メートル以上になるが、15~30センチメートルの矮性(わいせい)種もある。葉は多くは2回羽状に裂け、ほぼ線状。初夏、分枝した茎の先端に径3~4センチメートルの頭花をつける。舌状花は7、8個で鮮黄色、基部は濃赤褐色または紫褐色を呈し、鮮やかな蛇の目状をなす。このため別名ジャノメソウという。また、鮮やかな花姿をクジャクの羽に例え、クジャクソウともいう。性質はきわめて強い。秋播(ま)きしたものを露地で越冬させ、そのまま開花させる。1年つくると、翌年は一面に自然生えが出るほど、じょうぶである。変種にクロバナハルシャギク、ヤエハルシャギク、チャボハルシャギクなどがある。野生化したものが全国の空き地などでみられる。
[山口美智子 2022年3月23日]