バイオサイクル(読み)ばいおさいくる(その他表記)biocycle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイオサイクル」の意味・わかりやすい解説

バイオサイクル
ばいおさいくる
biocycle

これまで焼却、埋立て処分されてきた、事業所や家庭から出る生物由来のゴミを活用し、肥料や飼料、エネルギーなどをつくりだして循環利用する仕組み。資源の無駄を可能なかぎり少なくし、二酸化炭素の削減効果を相乗的に高めようとしている。

 実際にバイオマスとして利用できる有機性のゴミは、地域の地場産業業種や廃棄物の処理方法によっても異なり、資源を有効に循環させるにはその地域固有の仕組みが必要である。たとえば、京都市では観光都市としてのバイオサイクルが、環境省の「地球温暖化対策技術開発事業」(2007年(平成19)~2009年)、ついで「緑と水の環境技術革命プロジェクト」(農林水産省、2010年度)、「高濃度バイオ燃料実証事業」(環境省、2009年度~2011年度)として継続的に研究されている。厨芥(ちゅうかい)類、京都特有の庭園森林から出る廃棄物などを回収、分別する方法や、廃棄物からバイオディーゼルバイオガスといったエネルギーを回収する技術を開発、市バスや清掃局などの車両の燃料燃料電池に利用する実験もあわせて行われている。

 また、民間でも、サトウキビイモ類など現地で生産された作物の絞りかすを燃料に、また、絞り汁から糖質を取り出したあとの液体を肥料として活用することでバイオサイクルを実現している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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