バンダル族(読み)バンダルゾク(その他表記)Vandals

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンダル族」の意味・わかりやすい解説

バンダル族
バンダルぞく
Vandals

ゲルマン民族の一派。紀元前後スカンジナビア南部からバルト海沿岸に移住。ローマ人は彼らとゴート,ブルグンドを含めてバンダルと呼んだ。3世紀初めシリンギ,アスディンギの2派に分れ,徐々に南下,3~4世紀ローマとときおり衝突。 406年フン民族に押されてライン川を越え西進,アラニ族,スエビ族とともにガリアを攻略し,409年ピレネー山脈を越えてヒスパニア (現スペイン) に侵入,シリンギは半島南部 (現アンダルシア) ,アスディンギとスエビは北西部,アラニは現在のポルトガル地方に定着。しかし西ゴート人がローマの命令で侵入,シリンギを壊滅させアラニを圧した。アラニはアスディンギと合してさらに南下した。 429年ガイゼリックに率いられてアフリカに渡り,カルタゴを中心に建国,ローマに対抗し,455年にはローマ市を荒した。彼によって王朝が確立され,官僚制が整えられた。またバンダルはヒスパニアにいた頃アリウス派に改宗し,以後しばしばカトリック教徒を弾圧した。ゲリメル王のときビザンチン帝国のユスチニアヌス1世と対立,534年ビザンチンの将軍ベリサリウスによって滅ぼされた。

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