バンダービルト(読み)ばんだーびると(英語表記)Cornelius Vanderbilt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンダービルト」の意味・わかりやすい解説

バンダービルト
ばんだーびると
Cornelius Vanderbilt
(1794―1877)

アメリカの船舶鉄道資本家。16歳からニューヨークで渡航業を始め、1818年には蒸気船輸送に参加、のち同地域一帯の海上輸送を支配するに至った。50年、ニカラグア地峡を横断してカリフォルニアに至る船舶路線を設け、金ブームの同地への輸送で巨富を築いた。さらに、大西洋航路に進出したのち鉄道業に関心を移し、67年、ニューヨーク・セントラル社長に就任。次々と関連路線を買収し、五大湖地域に至る幹線鉄道網をつくった。その経営は能率的といわれるが、競争相手に対抗して多くのあくどい手段を用いた。当時の推定で1億ドルという巨富を積み、ニューヨーク郊外に、史跡となる豪邸を残している。

[長沼秀世]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンダービルト」の意味・わかりやすい解説

バンダービルト
Vanderbilt, Cornelius

[生]1794.5.27. ニューヨーク,スタテン島
[没]1877.1.4. ニューヨーク
アメリカの実業家。蒸気船と鉄道の経営により財閥一族の創始者となった。 16歳で渡し船を買いスタテン島とニューヨークを結ぶ運輸業を開始。ゴールド・ラッシュのときニカラグア経由のニューヨーク-サンフランシスコ間航路を開いて巨利を得,1855年にはアメリカ,フランス間などを結ぶ大西洋航路に移行し,南北戦争後鉄道業に転じた。息子ウィリアムには1億ドルの資産を残したといわれる。

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