バンテアイスレイ(英語表記)Banteay Srei

デジタル大辞泉 「バンテアイスレイ」の意味・読み・例文・類語

バンテアイ‐スレイ(Banteay Srei)

カンボジア北部にあるヒンズー教寺院遺跡アンコール遺跡群の中心より北東約25キロメートルに位置する。10世紀後半、クメール王朝のラジェンドラバルマン2世により創建され、息子ジャヤバルマン5世の時代に完成。ラテライトの長い参道が三重の周壁に囲まれた祠堂につながり、塔門破風はぶ渦巻文様浮き彫りが施されている。「東洋モナリザ」と称される優美なデバター像があり、フランスの作家アンドレ=マルローが盗掘して逮捕されたことで知られる。1992年、アンコールの他の遺跡とともに世界遺産(文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンテアイスレイ」の意味・わかりやすい解説

バンテアイ・スレイ
Banteay Srei

カンボジア,アンコールの遺跡群から北東に 40km離れ,孤立して建っているヒンドゥー教寺院。 967年摂政役の王師ヤジュニャバラーハが菩提寺として建立した。周囲約 400mの小寺で,三重の周壁に囲まれ,東が正面。バンテアイ・スレイの名は「女の砦」を意味するといわれ,紅色砂岩ラテライトを積上げた建築は,アンコール中心部の巨大な遺跡に比べると,はるかに瀟洒,繊細な表現である。この建築外部に施された装飾彫刻はアンコールの彫刻としてはかなり彫りが深く,立体感が強くて丸彫りに近い。若き日の A.マルローが発掘しようとして逮捕され,のちに『王道』に著わしたデバター像 (神像) は,「東洋のモナリザ」と呼ばれている。

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世界の観光地名がわかる事典 「バンテアイスレイ」の解説

バンテアイスレイ【バンテアイスレイ】
Banteay Srey

カンボジア西部のシエムレアプ(Siem Reap)北郊にあるアンコール遺跡群(世界遺産)の中の一つで、アンコールワット北東40kmのシエムレアプ川のほとりにあるヒンドゥー寺院の遺跡。東西95 m、南北110mの周壁に囲まれた小さな寺院だが、赤みを帯びた砂岩でつくられた壁には精巧な彫刻が施され、中央神殿には「東洋のモナリザ」と形容されるデヴァターの彫像があり、その価値が高く評価されている。◇「バンテアイスレイ」は「女の砦」(バンテアイは砦、スレイは女)という意味。

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