日本大百科全書(ニッポニカ) 「パソコン用語集」の意味・わかりやすい解説
パソコン用語集
ぱそこんようごしゅう
ここにはパソコンに関するおもな用語を集め掲げた。50音順に配列し、その後ろにアルファベット表記のことばを並べた。
[編集部]
アップデート update
システム、アプリケーション、デバイスドライバーなどのソフトウェアの改良、修正、機能追加のためにデータの一部を書き換えること。「更新」ともよぶ。機能向上やセキュリティ対策、不具合対策などを目的とすることが多い。比較的大規模なアップデートのことをメジャーアップデートということもある。ソフトウェアの交換による基本部分の変更や、インターフェースの変更などはアップグレードとよばれる。通常、ソフトウェアのアップデート、アップグレードは「1.0」などのバージョン番号で管理されていることが多く、アップグレードは整数部分が変わるのに対し、アップデートは小数部分が増えていく(「1.1」になるなど)。
アンインストール uninstall
導入していたアプリケーションやデバイスドライバーなどのファイルと設定をすべて削除し、導入前の状態に戻すこと。その専用アプリケーションはアンインストーラーuninstallerとよばれる。
インストール install
アプリケーションやデバイスドライバー、アプリケーションのプラグインなどを、正常に使用できるようにパソコンの設定やレジストリーの書き換えなどを行う作業。コンピュータの黎明(れいめい)期には、ユーザーが自分で行っていたが、インストーラーとよばれるアプリケーション・ソフトウェアによって半自動化された。
インターフェース interface
「接触面」「境界面」などを表す英語で、コンピュータにおいては、コンピュータと周辺機器相互の接点をさす。具体的には複数のシステムを接続する際や、異なるハードウェアやソフトウェアでプログラムをやりとりする際の、装置や規格などの表示に用いられる。コンピュータを人が使うための操作方法や表示方法などは、とくにユーザーインターフェースとよばれる。
ウインドウ window
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を搭載するコンピュータの操作画面において、起動する各アプリケーションに割り当てられる表示領域。方形で上部に操作のためのメニュー領域(帯)があることが多い。デスクトップ上でサイズ変更、移動、最小化、最大化などができる。
オートコンプリート auto-complete
検索窓やアドレスバーなどのテキスト入力フィールドにキーボードまたはタッチパネルで文字列を入力する際、すべての文字を入力しなくても、ユーザーが過去に検索した語句を再利用して、システムが推測した文字列の候補が表示され、そのなかから選択して入力できる機能。自動補完とよばれることもある。ユーザーにとって身近なのはウェブブラウザの検索窓へ何文字か入力すると表示される変換候補で、それ以外にも電子メールソフトのメールアドレス入力フィールドや、プログラムコードを書く際のソースコードエディターで使用されるなど、さまざまな環境で提供されている。
オートラン autorun
コンパクトディスク(CD)、DVD、ブルーレイディスク(BD)などの光ディスクやUSBメモリー、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)など、外付けの記憶装置をパソコンに接続した際に、そのなかに保存された指定プログラムをユーザーの操作なしに自動実行する機能。Windows(ウィンドウズ)の機能である。記憶装置の最上位フォルダにある「autorun.inf」という名称のテキストファイルに起動対象のプログラムと実行オプションが記載されている。目的のメニューが自動的に表示されるため便利である一方、「autorun.inf」を悪用してコンピュータ・ウイルスに感染させるケースもある。
かな入力/ローマ字入力
キーボード上から日本語の文字を入力する方式。かな入力の場合、JIS配列の日本語キーボード上にひらがなの50音が刻印されており、打ち込んだ文字と同じ文字が入力される。ローマ字入力の場合にはキーボード上のアルファベット表記を使用して、ローマ字の入力規則に従い打鍵(だけん)する。いずれも使用するキーボードはハードウェアとしては同一であり、日本語入力システム(MS-IME、ATOK(エイトック)、ことえりなど)の設定により、入力方法を切り替えられる。
壁紙
パソコンのデスクトップの背景に表示させる任意の画像。「デスクトップの背景Desktop Background」ともいい、Mac OS(マックオーエス)ではデスクトップピクチャーDesktop pictureとよばれる。画像を表示させずに任意の色で塗りつぶしたり、テクスチャーとよばれる模様のパターンを表示させたりすることもできる。Mac OS Ⅹ(テン)やWindows(ウィンドウズ) 7以降のパソコンでは複数の壁紙をスライドショーのようにして順番に表示させる機能もある。
共有フォルダ
同一端末上において他のアカウントによってログインしたユーザー、またはネットワーク上の他のユーザーや端末から、閲覧や操作ができるように設定されたフォルダのこと。オペレーティングシステム(OS)によっては共有ディレクトリともよぶ。パソコンのOS上ではユーザーごとにフォルダの所有権が規定されており、他者のアクセスを基本的に不能としているが、複数アカウントがアクセスできるよう設定したものが共有フォルダである。読み取りだけ、あるいは書き込みまでなど、ユーザーごとに許可される操作範囲を設定可能。また、Windows(ウィンドウズ)では最初から「パブリック」とよばれる、どのユーザーでもアクセスでき、操作制限もない共有フォルダが設定されている。
クリック click
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を備えたオペレーティングシステム(OS)の操作において、マウスのボタンを押してすぐ離す動作。Windows(ウィンドウズ)やUNIX(ユニックス)系のOS用のマウスには二つボタンがあり、左側のボタンを押して離すことを左クリック、右側のボタンで同様の動作をすることを右クリックとよぶ。一般的に左クリックは選択操作、右クリックは操作状況にあわせたショートカットメニュー(コンテキストメニュー)が表示される。また、2回連続でクリック操作を行うことをダブルクリックという。Mac OS(マックオーエス)では当初、マウスは1ボタンのみで左クリック相当の操作しかできなかったが、後に左右ボタンのマウスで右クリックに対応した。
クリーンインストール clean install
コンピュータに同じアプリケーションやオペレーティングシステム(OS)を再インストール、またはアップグレードインストールする際に、すでに存在しているアプリケーションやOSの設定やファイルを、いったん削除してからインストールすること。また、ハードディスクドライブ(HDD)あるいはソリッドステートドライブ(SSD)をフォーマットして内容をすべて削除してから新規インストールする(OSの場合)こと。インストールされているアプリケーションやOSの動作の不具合解消や、動作速度の向上を目的として行われる。
コピー&ペースト copy and paste
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)をもつコンピュータシステム上で、各種の実体ファイルや文字情報をコピーしたうえで、他の領域やファイル内に貼りつける(ペースト)一連の操作。コピーを行った段階でファイルや選択範囲(テキストや画像など)がオペレーティングシステム(OS)の管理するクリップボードとよばれる内部領域にいったん蓄積され、ペーストにより必要な場所に複写される。そのため、アプリケーションが対応してさえいれば、異なるアプリケーション間でも問題なくデータの複写が可能である。なお、同様の操作にカット&ペーストがあり、操作については類似しているが、この操作ではカットされたデータがペーストされると同時に元のデータが消去される。
ごみ箱 trush box
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を備えたオペレーティングシステム(OS)において、ファイルをごみ箱の形をしたアイコンの上にドラッグ&ドロップするとフォルダシステム上から見かけ上消去され、一時的な保管場所へと移されるシステム、およびそのアイコンの名称。右クリックによるショートカットメニューやプログラムのメニューにおける「削除」機能、デリートキーを使用しても同じ効果が得られる場合もある。ごみ箱に入れられたファイルはその時点では削除されないが、「完全に削除する」機能によりシステムから完全に削除できる。
シャットダウン shutdown
システムを終了する操作。単にハードウェアの電源を遮断するのではなく、コンピュータに搭載されているオペレーティングシステム(OS)の機能を操作して、作業の各プロセスを適切に終了しながら最後に電源が切断される。同様の操作をさす呼称はOSにより異なり、UNIX(ユニックス)やVista(ビスタ)以降のWindows(ウィンドウズ)では「シャットダウン」、Windows XPでは「電源を切る」、Windows 95、98、Me(ミー)では「Windowsの終了」、Mac OS(マックオーエス)では「システムの終了」という。
修正プログラム
オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションなどのソフトウェアにおいて、安全性に関する欠陥やバグ(不具合)を修正するためのプログラム。元のアプリケーションを開発したメーカーが作成、配布してユーザーに適用を促す。インストール済みの本体プログラムに付加していくようすを、継ぎあてになぞらえて「パッチpatch」とよぶこともある。マイクロソフト社ではこの修正プログラムを「更新プログラム」または「セキュリティ更新プログラム」とよび、定期的に自社Web上で配布している。
ショートカット shortcut
Windows(ウィンドウズ)において任意のファイルやフォルダへのアクセスのみを目的としたファイル(アイコン)。英語で「手っ取り早い方法、近道」を意味する。ファイルシステム(フォルダツリー)上の任意の場所に実際のファイルを置き、アクセスはデスクトップ(フォルダ)に置いたアイコンをダブルクリックして行うなど、利便性を高めることができる。ショートカットは、実行ファイル、データファイルのいずれについても作成が可能。元のデータと同じアイコンの左下に矢印のマークが配置され、ショートカットであることが明示される。Mac OS(マックオーエス)では同様の機能をエイリアスとよぶ。なお、マウスを使用せずに、キーボードのキーの組み合わせで特定の機能を呼び出す機能のことは「キーボードショートカット」とよぶ。
スクリーンセーバー screen saver
パソコンにおいて、ユーザーが一定時間使用していないときに、画面に任意の絵や映像を表示させる機能。使用中であるかどうかの判断は入力デバイス(キーボード、マウス、画面タッチなど)の動作の有無によって行われるため、プログラムの動作には影響を与えない。本来は、パソコンのディスプレーがブラウン管(CRT)であった1990年代以前に、動きのない画面を表示し続けることによる画面の焼きつき(表示されている画面の影がディスプレーに残ってしまうこと)を防止するための機能であった。その後、ディスプレーの性能向上や液晶ディスプレーの登場で焼きつきが発生しにくくなり、もっぱらアクセサリーとして使用されるようになった。
スクロールバー scroll bar
ウインドウ操作画面において、アプリケーションの表示領域を移動させるために使用する細い帯状の操作部分。表示内容がウインドウの表示領域を超えると現れる。帯状の部分をクリックするか、タッチしたままでつまみを動かすと表示領域が移動し、離すと停止する。水平方向と垂直方向の2種類がある。
脆弱(ぜいじゃく)性 vulnerability
コンピュータのアプリケーション・ソフトウェアやプログラム、またはネットワークに存在するセキュリティ上の弱点または問題点。バルネラビリティともいう。アプリケーション・ソフトウェアの作成、その実装や運用といった、各段階での作業上の不具合から生じることが多いが、組織の管理体制などに起因することもある。単純にプログラムのセキュリティ上の問題点をさすセキュリティホールとは異なり、セキュリティを保全することを脅かすような事柄の総称である。
ダイアログボックス dialog box
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を備えたオペレーティングシステム(OS)において、ユーザーに項目の選択、入力、操作や状態の確認を求めるための特別なウインドウ。ダイアログは英語で「対話」という意味。操作の途中に最前面に表示され、「対話」によるなんらかの反応をユーザーに要求する。他のウインドウの操作を受け付けなくなり、ダイアログボックスを消すために入力やボタン操作を必要とするものと、表示させたままでも他のウインドウの操作が可能なものとがある。操作を必要とせず、単に情報を表示するだけのものは「メッセージボックス」とよぶ。
ダウンロード/アップロード download/upload
コンピュータ・ネットワークにおいて、他端末(サーバーや他のコンピュータ)からデータをユーザーの端末まで取り込み、保存することをダウンロード、逆にユーザーの端末から保存しているデータを他端末まで送り出すことをアップロードという。ただし、データの保存を伴わないストリーミングなどのデータ転送はダウンロード/アップロードではない。
タスク task
オペレーティングシステム(OS)において、アプリケーションを実行する一連の処理単位。一つのアプリケーションによる処理全体をさすことが多いが明確な定義はない。一定のメモリ空間を確保して行われるプログラムの実行単位の「プロセス」、あるいはそのメモリ空間内で行われるプログラムの最小実行単位の「スレッド」に近い意味合いで使われることもある。マルチタスクということばは、複数のアプリケーションによる処理を同時に行えることを表している。また、Windows(ウィンドウズ)では、タスクにプログラムの一連の実行単位という意味も与えており、タスクスケジューラーは日時やイベントをトリガー(きっかけ)としたタスクの自動実行機能をさす。
チェックボックス check box
オペレーティングシステム(OS)、アプリケーション・ソフトウェア、ウェブサイトの表示画面において、項目や機能を選択するときに用いられるボタン。選択対象の項目のそばに四角の枠の形で配置される。マウスやタッチで選択するとそのなかに「レ点」などのチェックマークが表示され、同じ操作により解除できる。チェックボックスは複数を同時に選択できることが多く、選択可能項目を1項目に限定したい場合は、「ラジオボタン」が使われる。
テンプレート template
定型書式。レイアウトや書式が用意されており、これを使用することで、パターンどおりのテキストや書式などを毎回入力しなくても済み、省力化や時間の短縮が図れる。テンプレートとは「型板」「鋳型」「ひな形」のことであり、ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトなどで、あらかじめ書式やデザインをプロやメーカーが作成して配布することが多い。オフィスアプリケーションのファイルだけでなく、ウェブアプリケーションで使用されるプログラムのひな形や、プログラミングの定型書式もテンプレートとよばれる。
ドック Dock
Mac OS Ⅹ(マックオーエステン)のデスクトップ画面に常時表示される小さなウインドウで、プログラムを起動するためのランチャー(アプリケーションなどを少ない手順で起動できる機能)の一種。主要なプログラムはここに登録されており、アプリケーションのほかにファイルを登録することが可能である。また、単一機能のランチャーではなく、Windows(ウィンドウズ)におけるタスクバーと同様の機能もあわせもっており、ウインドウを最小化すると、ドック内に収納され、そのアイコン状のウインドウをクリックすると再表示できる。ドックのアプリケーションごとのメニューでは、電子メールの新規メッセージ作成や音楽の再生など、各アプリケーションの特定の機能を実行できる。
ドラッグ&ドロップ drag & drop
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を備えたオペレーティングシステム(OS)におけるマウスによる操作の一つ。操作対象(アイコン、ウインドウ枠、タブ、指定範囲など)をマウスで左クリックして押したままの状態を保ち(ドラッグ)、必要な場所まで移動させてボタンを離す(ドロップ)動作である。これにより操作対象を別の場所やフォルダなどに移動できるほか、対象(ファイル)をアプリケーションアイコンやウインドウの上に重ねあわせることで、その対象を実行できる。
バグ bug
コンピュータのプログラムの内部に存在する誤りや不具合。「虫」を表す英語の口語。システムの動作が停止するなどのエラーを引き起こす。プログラムを検査し、見つかったバグを除去して正しいプログラムコードを書く作業はデバッグdebugとよぶ。バグは、設計段階から誤った論理が使用されている場合、または製作段階での単純な記載ミスや参照ミスなどによって発生する。
バックグラウンド background
パソコンやスマートフォン、タブレット型端末において、インターフェースが最前面に表示されておらず、ユーザーが見ながら操作できない状態、または、処理の優先順位が低い実行中のアプリケーション、タスク、プロセスのこと。たとえば、電子メールの自動送受信動作、アンチウイルスソフトのスキャン動作、プリンターへの印刷処理指示後の動作などがこれにあたる。逆にユーザーがアプリケーション、タスク、プロセスを操作できる状態はフォアグラウンドforegroundという。ただし、厳密な定義ではなく、バックグラウンドはフォアグラウンドに対する相対的な状態をさし、単に後ろに隠れているウインドウやスマートフォンにおける電話待ち受け機能など、ユーザーが起動していること自体を意識しないプロセスも含む。
バッファー buffer
コンピュータ内部のデータ転送やネットワーク通信を利用した二者間のデータ通信において、中央処理装置(CPU)の処理時間や記憶装置の速度、転送速度の違いを吸収するために一時的にデータを蓄積する装置。バッファともいう。「緩衝材、緩衝装置」を意味する英語である。装置の待ち時間を短くでき、通信データの損失を防止したり、コンピュータリソースを有効利用できたりする。コンピュータの場合にはメモリーの一部を使用し、プリンターなどの専用機器の場合は専用メモリーを搭載する。メモリーは速度の速いDRAM(ディーラム)が使用されることが多い。
バッファーの例としては、グラフィックカードからディスプレーへ出力する際のフレームバッファー、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)への入出力の際のデータバッファー、プリンターに搭載され、コンピュータからの印刷データを一時的に蓄積するプリンターバッファー、インターネット上でのストリーミング通信を受信する際にプログラムが作成するストリーミングバッファーなどがある。
バンドル bundle
単体で売られることも多い製品(おもにソフトウェア)を、パソコンなどのハードウェアとセットにして販売すること。英語で「包み、塊」を意味する。Windows(ウィンドウズ)を搭載したパソコンにマイクロソフト社製以外のワープロソフトをつけたり、プリンターに画像編集ソフトをセットにしたりするのがその代表的なものである。価値の少ないソフトを、人気の高いハードウェアに付属させて高額で販売することや、添付する製品による市場独占などを目的とするバンドルは、独占禁止に関する法律に抵触する。過去には、Windowsにインターネットエクスプローラー(IE)を搭載したことが、ヨーロッパで独占禁止法に違反するとして制裁金を課された例がある。
ファイル圧縮
ファイルを加工あるいは変換してサイズを小さくすること。ファイルフォルダの階層構造をそのまま圧縮し、解凍(展開)して再現することもできる。おもに、保存時の容量を節約する、通信時のデータ量を削減するなどの目的で行う。フォーマットにはさまざまな形式があり、世界規模でもっとも普及しているのはZIP(ジップ)である。
フォーマット format
各種記憶装置・媒体のもつデータ記録方式、また、そうした方式にあうように初期化すること。具体的にはハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、SDメモリーカード、USBメモリー、CD-RW/DVD-RW/BD-REなどにおいて、データファイルを記録できるように任意のファイルシステム(フォーマット形式)に従って、準備をすることをさす。記憶媒体の物理的領域をセクターに分割する「物理フォーマット」と、パーティションやファイルシステムの配置データを書き込む「論理フォーマット」があり、市販されている記憶装置、記録媒体は、あらかじめ「物理フォーマット」された状態である。また、フォーマットとは「形式」という意味であり、exFATやNTFS(Windows(ウィンドウズ))、HFSXやHFS+(Mac(マック))といったファイルシステムを管理する形式のことをさす用法もある。
フォルダ folder
Windows(ウィンドウズ)やMac OS(マックオーエス)などのオペレーティングシステム(OS)において、ファイルを入れて整理し、使用する際に探しやすくしたり取り扱いやすくしたりするための擬似的な箱。ファイルと同様に名前をつけることができる。実物の書類を束ねるためのフォルダ(書類ばさみ)のメタファー(暗喩(あんゆ))であり、アイコンも実物のフォルダを模しているものがほとんどである。フォルダのなかにさらにフォルダを配置して階層構造にすることができ、これをフォルダツリーとよぶ。階層構造内でフォルダをコピーしたり移動したりすると、その階下のフォルダやファイルも同時にコピー、移動される。
プリインストール preinstall
パソコンやスマートフォンなどのデバイスにおいて、その発売元があらかじめ独自にアプリケーション・ソフトウェアなどをインストールしておくこと。発売元がデバイスに特長を付加してユーザーへ訴求したり、デバイスを使いやすくしたりする目的で行う。オペレーティングシステム(OS)から始まり、発売元独自のサービスを提供するための専用アプリケーションや、マイクロソフト社の「オフィスOffice」のようにユーザーの同意のうえで価格を転嫁してインストールされるものなどがある。
プルダウンメニュー pull-down menu
アプリケーション・ソフトウェアやウェブサイトなどにおけるメニュー表示方法の一つ。通常の状態では非表示にしてあるメニューの内容が、項目選択を必要とする場面でクリックまたはタッチすることにより下方にメニュー領域が伸展し、一覧表示される。ドロップダウンメニューともいう。
ヘルプ機能
アプリケーションの操作がわからなくなったときに起動させると、操作方法などの有益な情報が別のウインドウに表示される機能。キーボードのファンクションキーや画面上の「ヘルプ」「?」などのボタンを押してユーザーが任意に起動する方式や、ヘルプが必要と判断される場合に小さなウインドウが自動的に立ち上がる方式がある。
ポップアップメニュー pop-up menu
コンピュータの表示画面において、マウスのポインターやタッチ操作により指示した場所に、飛び出すように表示されるメニュー。一つのポップアップメニューからさらに詳細なメニューが表示されることもある。Windows(ウィンドウズ)で任意のアイコンや項目上で、右クリックにより表示されるメニュー(ショートカットメニュー)がその代表例である。Mac OS(マックオーエス)ではコンテキストメニューとよばれる。
メニューバー menu bar
オペレーティングシステム(OS)またはアプリケーションの表示画面(ウインドウ)のおもに上部にあり、機能などの選択項目(メニュー)が示される帯状の領域。種類別に分類され、リスト形式で階層状に表示されることが多い。これをマウスやタッチ操作で選択すると、OSやアプリケーションの機能が実行される。
ユーザーアカウント user account
コンピュータやネットワークの利用者(ユーザー)を特定するための資格情報。オペレーティングシステム(OS)にはユーザーアカウントの設定機能があり、ユーザー名とパスワードを登録してアカウントを設定し、ログイン(ログオン)しないとそのOSを利用することができない。1台のコンピュータ(OS)には複数のユーザーアカウントを設定することが可能であり、アカウントごとに独自のファイルを作成したり、好みの設定を保存したりすることができる。
ユーザー権限
オペレーティングシステム(OS)においてユーザーごとに許可された、ファイルや機能にアクセスできる権限。ユーザーごとに使用できるファイルを限定したり、システムの重要な機能を操作できないようにしたりできる。複数のユーザーをグループ登録して、同じポリシー(権限内容)で運用することも可能。
Windows(ウィンドウズ)では最初にユーザーアカウントを作成する際に「管理者」か「標準ユーザー」かを選択するようになっている。管理者はコンピュータにかかわるすべての変更を行う権限をもち、他人のファイル操作もできる。
ユーザー登録
ハードウェアやアプリケーション・ソフトウェアを購入した後に、発売元に利用者として個人情報を登録すること。ユーザー登録を製品のアップグレードを含むサポートの条件としていることが多い。
ユーザー認証
ネットワーク上のサービスに任意のユーザーが接続する際に、そのユーザーが正規のユーザーであるかどうかを確認し、接続を許可する作業。そのアカウントに対して事前に発行されたユーザーIDとパスワードの入力により確認するのが一般的だが、ユーザーIDのかわりにICカードを利用したり、パスワードのかわりに指紋認証や生体認証を用いたり、あるいは合いことばや画像、複雑な乱数表を組み合わせるなどして、他人による不正アクセスを防止する。
ラジオボタン radio button
オペレーティングシステム(OS)またはウェブサイトの表示画面において、項目や機能を一つだけ選択する際に使用するボタン。名称は自動車用ラジオの選局ボタンに由来する。選択対象の項目のそばに白い丸の形で配置され、マウスやタッチで選択するとそのなかに黒い丸が表示される。別の項目を選択するとそちらに黒い丸が移る。複数項目の選択を可能にしたい場合はチェックボックスが使用される。
リストボックス list box
オペレーティングシステム(OS)またはウェブサイトの表示画面において、項目や機能を選択するために使用するボックス。選択対象の複数項目が一覧できる状態で長方形の枠内に配置され、マウスやタッチで選択するとその項目の表示色が反転して選択されたことがわかる。単独または複数の選択肢を設定できる。同じ操作を繰り返すと解除される。リストボックスにユーザーが希望のデータを自由に入力できるものは「コンボボックス」という。
レジストリー registry
Windows(ウィンドウズ) 95以降のWindows OSにおいて、システム設定/情報、アプリケーション設定、ユーザーパスワード、デバイスドライバー情報、その他の設定が記録されている階層型データベース。通常ユーザーがその存在を意識することはないが、レジストリーエディター(regedit.exe)とよばれるツールで内容にアクセスし、変更することもできる。ただし、Windowsの動作に重大な影響を与える場合があるので、知識のない状態でレジストリーの内容を変更することは推奨されていない。階層型データベースを使用しているため、通常のテキストファイルによる設定情報の記録に比べて読み込みが速いことがメリットである。Windows上で動くアプリケーションの多くは、レジストリーに設定情報を記録しており、適切な手段でアプリケーションを削除することにより、その情報は完全に消去される。
レジューム resume
コンピュータにおいてスリープ(スタンバイ)や休止状態の機能を利用して動作を停止させた後に、電源ボタン、キーボード、マウスなどの操作によって元の状態に復帰させること。英語で「再開する」の意味。直前の作業状態が保存されるため、復帰時には起動させていたプログラムや用いていたファイルなどがまったく同じ状態で再現される。スリープや休止状態に入ってからレジュームする一連の動作を「レジューム機能」としてコンピュータの機能の一つとする場合もある。
ログアウト logout
コンピュータが利用可能な状態(ログイン状態)を終了すること。ログアウト後は再度ログイン画面を表示させることもできるし、そのままオペレーティングシステム(OS)を終了させて電源を切ることもできる。Windows(ウィンドウズ)ではログオフとよぶ。また、ネットワーク上のサービスが利用可能な状態を終了させることもログアウト(ログオフ)とよばれる。
ログイン login
コンピュータを使用する際、ユーザーアカウントで指定されるユーザー名とパスワードを入力し、コンピュータを利用できる状態にすること。パスワード入力のかわりに顔認証、指紋認証などを用いてセキュリティを高めることもある。Windows(ウィンドウズ)ではログオンという。また、ネットワーク上のサービスを利用する際にユーザー名とパスワードを入力してサービスを利用可能な状態にすることもログイン(ログオン)とよぶ。
ロック画面
パソコンやスマートフォン、タブレット型端末などにおいて、操作が制限された状態であらわれる画面。誤作動や離席中に他人に操作されることを防ぐための機能である。パソコンの場合、パスワードを入力するとロックが解除されて、デスクトップ画面やスタート画面が表示される。スマートフォンやタブレット型端末での解除は、パスワード入力や指紋認証、スワイプ動作などを用いる。スリープ/休止状態からのレジューム後や、スマートフォンでは電源ボタンを押して画面を表示させたときにロック画面が表示される。
GIF
ジフと読む。JPEG(ジェーペグ)と並び、広く普及している静止画像データの非可逆圧縮フォーマットの一つ。拡張子はgif。ファイルサイズが比較的小さく、最大256色を扱えることから、ウェブサイトのアイコンやバナー、イラストなどに使用されている。
JPEG
ジェーペグと読む。デジタルカメラの画像記録やインターネット上の画像表示などに広く用いられている静止画像データの非可逆圧縮フォーマット。拡張子はjpgまたはjpeg。国際電気通信連合(ITU)と国際標準化機構(ISO)により設置された画像圧縮に関する検討委員会(Joint Photographic Experts Group)の略称が規格の名称として使われている。ヒトには、一般に色調の変化に対しては鈍い、という視覚特性があるのを利用して、見た目の画質をあまり損なわずに大幅なファイルサイズの圧縮を実現している。圧縮率は変更でき、高圧縮にするとファイルサイズも小さくなるが画質が悪化しやすい。
LZH
ファイル圧縮フォーマットの一つ。拡張子はlzh。医師でプログラマーでもある吉崎栄泰(よしざきはるやす)(1955― )が1988年(昭和63)にMS-DOS(エムエスドス)で使用する可逆圧縮方式として発表した。フリーウェアとしての名称はLHAであるが、拡張子でよばれることが多い。圧縮率は低いものの日本国内で広く使用された。2010年(平成22)にはセキュリティ上の問題を理由に共通アプリケーションなどの開発が停止され、使用の中止が呼びかけられた。
PNG
ピングと読む。ウェブサイト上での利用を目的として開発された可逆形式の静止画ファイルのフォーマット。拡張子はpng。フルカラーでの表示や背景を透過する指定が可能である。
ZIP
ジップと読む。ファイル圧縮フォーマットの一つ。拡張子はzip。可逆形式のデータ圧縮フォーマットとして世界中でもっとも普及しており、大半の圧縮・解凍アプリケーションが対応しているほか、Windows(ウィンドウズ)やMac OS(マックオーエス)では標準機能で圧縮・解凍ができる。