パップ剤(読み)ぱっぷざい(英語表記)cataplasm

翻訳|cataplasm

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パップ剤」の意味・わかりやすい解説

パップ剤
ぱっぷざい
cataplasm

医薬品の粉末と精油成分を含み、湿布に用いる泥状の外用剤をいう。日本薬局方にはカオリンパップが収載されている。これは、カオリンにホウ酸、濃グリセリンチモールサリチル酸、ハッカ油を含む。基剤にはカオリンのほか、ベントナイトがよく用いられる。打ち身捻挫(ねんざ)などに鎮痛消炎の目的で使用される。通常、リント布に展延して患部に当て、乾燥したら新しいものに取り替える。最近は、あらかじめリント布に展延したものが市販されている。また同じ目的で、塗布するスティック状のものや、プラスターにして貼付(ちょうふ)するものなどがよく用いられるようになったが、これらはパップ剤とはいわない。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パップ剤」の意味・わかりやすい解説

パップ剤
パップざい
calaplasma; poultice

湿布に用いる泥状の外用薬である。通常,医薬品の粉末をグリセリン,水またはその他の適当な液状物質と混ぜ合せ,精油成分または芳香剤を加えて均等に混和して調製する。カオリンパップがよく用いられる。パップとはかゆを意味するオランダ語。元来は細切りした生薬類を熱湯でかゆ状にした剤形で,布片に延ばして患部に貼用された。汎用されたものはカラシデンプン,麦粉,アマニン末,ロート葉,ヒヨス葉などである。

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