パップ剤(読み)パップザイ

デジタル大辞泉 「パップ剤」の意味・読み・例文・類語

パップ‐ざい【パップ剤】

医薬品粉末と精油成分を含み、湿布に用いる泥状外用剤。ふつうカオリンパップが用いられる。以前は亜麻仁芥子泥かいしでい・麦などを煮て粥状にしたものが用いられた。

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精選版 日本国語大辞典 「パップ剤」の意味・読み・例文・類語

パップ‐ざい【パップ剤】

  1. 〘 名詞 〙 多量の粉末を含む泥状または粥状の外用剤。布に厚くのばし、患部に貼布して炎症や充血をとるのに用いる。
    1. [初出の実例]「アルミ箔の袋から鉛色のハップ剤を絞り出し、それを木篦で伸して患部に当てる」(出典:結婚(1967)〈三浦哲郎〉七)

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「パップ剤」の解説

パップ剤(引赤発泡剤)

製品名
MS温シップ(イセイ、タカミツ、三和化学研究所、日本化薬、岡山大鵬薬品、三笠製薬、大鵬薬品工業、日本ジェネリック、ファイザー
MS冷シップ(イセイ、タカミツ、三和化学研究所、大鵬薬品工業、岡山大鵬薬品、テイカ製薬、久光製薬、三笠製薬、日本ジェネリック、ファイザー)
カーマスプラスター(テイカ製薬、吉田養真堂)
GSプラスターC(祐徳薬品工業、久光製薬)
パステルハップ(大石膏盛堂、キョーリンリメディオ、杏林製薬
ハーネシップ(シオエ製薬、日本新薬)
ラクール温シップ(ラクール薬品販売、東光薬品工業)
ラクール冷シップ(ラクール薬品販売、東光薬品工業)

 皮膚を刺激して血管を拡張させ、病変部の血液循環をよくするカンフルメントールなどを含むり薬(貼付剤ちょうふざい)です。


 皮膚や筋肉の痛みかゆみうっ血炎症などを解消する効果があって、打撲ねんざ筋肉痛骨折の痛みの治療に用います。


 発赤・腫脹しゅちょう(赤くれる)がかえってひどくなったり、発疹ほっしんが出たりするのは、薬による過敏症状のことがあります。使用を止め、すぐ医師に相談してください。


原則として、1日1~2回貼り替えます。


乳幼児には、刺激が強すぎることがあります。使用上の注意を医師に十分聞いてから使用してください。


きず湿疹しっしんのある部位粘膜部分には使用しないでください。この薬で過敏症を起こしたことのある人は使用できません。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パップ剤」の意味・わかりやすい解説

パップ剤
ぱっぷざい
cataplasm

医薬品の粉末と精油成分を含み、湿布に用いる泥状の外用剤をいう。日本薬局方にはカオリンパップが収載されている。これは、カオリンにホウ酸、濃グリセリン、チモール、サリチル酸、ハッカ油を含む。基剤にはカオリンのほか、ベントナイトがよく用いられる。打ち身、捻挫(ねんざ)などに鎮痛、消炎の目的で使用される。通常、リント布に展延して患部に当て、乾燥したら新しいものに取り替える。最近は、あらかじめリント布に展延したものが市販されている。また同じ目的で、塗布するスティック状のものや、プラスターにして貼付(ちょうふ)するものなどがよく用いられるようになったが、これらはパップ剤とはいわない。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パップ剤」の意味・わかりやすい解説

パップ剤
パップざい
calaplasma; poultice

湿布に用いる泥状の外用薬である。通常,医薬品の粉末をグリセリン,水またはその他の適当な液状の物質と混ぜ合せ,精油成分または芳香剤を加えて均等に混和して調製する。カオリンパップがよく用いられる。パップとはかゆを意味するオランダ語。元来は細切りした生薬類を熱湯でかゆ状にした剤形で,布片に延ばして患部に貼用された。汎用されたものはカラシデンプン,麦粉,アマニン末,ロート葉,ヒヨス葉などである。

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