作家。青森県八戸(はちのへ)市に生まれる。早稲田(わせだ)大学仏文科卒業後文筆を志す。学生結婚をした体験に基づく『忍ぶ川』(1961)により芥川(あくたがわ)賞受賞。以後『初夜』(1961)、『団欒(だんらん)』(1964)、『結婚』(1967)などを刊行。長編小説『海の道』(1970)、『駱駝(らくだ)の夢』(1974)、連作小説集『踊子ノラ』(1974)、『拳銃(けんじゅう)と十五の短篇(たんぺん)』(1976。野間文芸賞受賞)などによって独自な作風を確立する。短編には『冬の雁(がん)』(1980)、『蟹屋(かにや)の土産』(1983)などがある。また、天正(てんしょう)年間の、遣欧使節の若者たちの苦難の歳月を描いた『少年讃歌(さんか)』(1982。日本文学大賞受賞)、血族の不幸を凝視した『白夜を旅する人々』(1984。大仏(おさらぎ)次郎賞受賞)、『じねんじょ』(1989。川端康成文学賞受賞)、『愁月記』(1989)、『短篇(たんぺん)集モザイクⅠ みちづれ』(1991。伊藤整文学賞受賞)、『みのむし』(1994。再度川端康成文学賞受賞)、『短篇集モザイクⅡ ふなうた』(1994)、『短篇集モザイクⅢ わくらば』(2000)などがある。日本芸術院会員。
[金子昌夫]
『『三浦哲郎短篇小説全集』全3巻(1977・講談社)』▽『『三浦哲郎自選全集』全13巻(1987~88・新潮社)』▽『『短篇集モザイクⅠ みちづれ』(1991・新潮社)』▽『『短篇集モザイクⅡ ふなうた』(1994・新潮社)』▽『『短篇集モザイクⅢ わくらば』(2000・新潮社)』▽『『随筆集 母の微笑』(2001・講談社)』▽『『忍ぶ川』(新潮文庫)』▽『『少年讃歌』(文春文庫)』▽『『白夜を旅する人々』(新潮文庫)』▽『『拳銃と十五の短篇』(講談社文芸文庫)』
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