パデレフスキ(その他表記)Ignacy Jan Paderewski

改訂新版 世界大百科事典 「パデレフスキ」の意味・わかりやすい解説

パデレフスキ
Ignacy Jan Paderewski
生没年:1860-1941

ポーランドピアニスト作曲家,政治家ワルシャワベルリンピアノと作曲を学び,1887年以降ピアニストとして世界各地で活躍した。第1次世界大戦中,ポーランドの独立運動にも加わり,1919年ポーランド共和国最初のパデレフスキ内閣の首班となった。22年から再び演奏活動を行い,第2次世界大戦中は渡米して祖国への援助を訴えつつ他界した。彼はイギリス,フランス,イタリアなど各国から叙勲され,政治家および音楽家として高く評価された。彼の個性的な演奏,とくにショパンの演奏は多くの人に影響を与えた。作品はピアノ曲が大半を占め,ポーランド民謡風のものが多い。37年からパデレフスキ版として知られる《ショパン全集》21巻(1949-61)を編集。
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百科事典マイペディア 「パデレフスキ」の意味・わかりやすい解説

パデレフスキ

ポーランドのピアノ奏者,作曲家,政治家。現ウクライナ領のクリウフカ出身。ワルシャワ音楽院でピアノを修めたのちベルリンで作曲を学ぶ。1887年ウィーンでデビュー以来世界各地を楽旅し,ことにショパンの作品の演奏で名声を博す。第1次世界大戦中ポーランド独立運動に参加し,R.ドモフスキ〔1864-1939〕らとパリに〈ポーランド国民委員会〉を設立。その代表としてワシントンなどで活躍し,1919年ポーランド共和国初代首相・外相となるが同年末辞任。1922年演奏活動を再開。第2次世界大戦勃発(ぼっぱつ)後米国に渡り,ポーランドへの援助を訴えつつニューヨークで客死。数多くのピアノ曲をはじめ,《ピアノ協奏曲》(1888年),《交響曲》(1909年)などの作品を残した。1937年編集に着手した通称パデレフスキ版《ショパン全集》(1949年―1961年刊行)も広く知られる。→ルビンステイン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パデレフスキ」の意味・わかりやすい解説

パデレフスキ
ぱでれふすき
Ignacy Jan Paderewski
(1860―1941)

ポーランドの音楽家、政治家。ワルシャワ音楽院卒業。1884~1887年にウィーンに留学後、ヨーロッパ各地で演奏活動を始め、ピアニストとして人気を博した。1913年に渡米し、ポーランド独立運動に従事、第一次世界大戦中は祖国独立を訴えるために義援音楽会を催し、アメリカの世論に影響を与えた。その後フランスに滞在し、パリでは国民民主党に接近したが、1918年に独立後すぐ帰国し、諸党派の調整役を務めた。1919年1月に初代首相に就任したが、パリ平和会議で東ガリツィア(ウクライナ人居住地域)がポーランド領として認められなかったため、同年11月首相を辞任した。音楽家としては、ショパンの研究家として知られ、オペラ『マンル』、交響曲ロ短調、ピアノ曲『メヌエット・ト長調』などを作曲した。

[安部一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パデレフスキ」の意味・わかりやすい解説

パデレフスキ
Paderewski, Ignacy Jan

[生]1860.11.18. クリルフカ
[没]1941.6.29. ニューヨーク
ポーランドの政治家,作曲家,ピアニスト。ワルシャワ音楽院に学び,1878年から同院でピアノを教え,83年ストラスブール音楽院教授。 84~87年ウィーンでピアノを T.レシェティツキに師事,87~91年ピアニストとしてウィーン,パリ,ロンドン,ニューヨークで活躍。 1909年ワルシャワ音楽院院長。 13年渡米し,祖国の独立に尽力。 18年駐米ポーランド大使,19年1月ポーランド共和国の初代首相となった。同年末辞任,スイスのレマン湖付近に住んだが,再び渡米,演奏活動に復帰した。オペラ『マンル』 (1901) ,『交響曲ロ短調』 (09) のほかピアノ曲『ユモレスク』などが有名。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「パデレフスキ」の解説

パデレフスキ

ポーランドの作曲家、音楽家、政治家。12歳からワルシャワ音楽研究所(音楽院)に入学し、その後ウィーンに赴き、高名なピアノ教授レシェティツキに師事することができた。20代半ばからピアニストとして世界各地 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

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