パーマネントプレス加工(読み)パーマネントプレスカコウ(英語表記)permanent press finishing

デジタル大辞泉 「パーマネントプレス加工」の意味・読み・例文・類語

パーマネントプレス‐かこう【パーマネントプレス加工】

綿レーヨンなどの防縮・防しわ目的とする樹脂加工法の一種。パーマネントプレスフィニッシュ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーマネントプレス加工」の意味・わかりやすい解説

パーマネントプレス加工
パーマネントプレスかこう
permanent press finishing

綿,綿とポリエステルの混紡織物に樹脂加工を施して,防皺性,プリーツ保持性,保形性などの特性を与える加工法。 PP加工デュアラブルプレスともいう。布地を樹脂液に浸してから乾かしたものを,樹脂を不溶性にするため,キュアリング (高熱処理) を行い製品とする。キュアリングの方式には,ポストキュアとプレキュアとがある。ポストキュアは厚地生地の場合に用いられる方法で,まず縫製し,ひだつけ,ふくらみなどを整える仮プレスを行なったのちキュアリングを行う。プレキュアは薄地生地に用いるもので,先にキュアリングを施してから,縫製,仕上げをし,高温プレスを掛ける。ワイシャツブラウススラックス,作業服など広く利用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パーマネントプレス加工」の意味・わかりやすい解説

パーマネント・プレス加工
ぱーまねんとぷれすかこう
permanent press

略してP・P加工ともいい、樹脂加工の一種で、綿織物や綿と化学繊維の混紡織物の布地や製品に加熱処理を行って、恒久性のある保形性、防皺(ぼうしゅう)性、プリーツ保持性を与える加工。布地に樹脂を浸透させて、いったん乾燥させたのち、裁断・縫合し、製品の形になってからプレスで整形し、これを高圧高温で処理したのち、あらかじめ含浸してある樹脂を縮合させて製品の形を固定させる。この加工を施したものは、着用中や洗濯などでしわができにくく、形くずれしないという性質があり、取扱いに便利である。主としてスラックス、ズボンスカート、ワイシャツなどを加工する。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「パーマネントプレス加工」の意味・わかりやすい解説

パーマネントプレス加工【パーマネントプレスかこう】

略してPP加工とも。ワイシャツ,スカートなどの縫製品に行う加工で,折り目が消えず,しわや形くずれを防いで,ウォッシュ・アンド・ウェア性を強化するもの。主として合繊製品に適用。生地に樹脂を浸透させ,縫製後,高温でプレスして折り目,形などを固定する。
→関連項目樹脂加工

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世界大百科事典(旧版)内のパーマネントプレス加工の言及

【ウォッシュ・アンド・ウェア】より

…1993年に日本で,洗濯の後,アイロン掛けをまったく要しないワイシャツが売り出されて人気を集めた。液体アンモニアでマーセリゼーションして繊維性能を改善した綿あるいはポリエステル混織物を樹脂で加工したものと,綿ポリエステル混織物を気相でホルムアルデヒド処理したものの2種類があり,どちらも,縫製した後,吊しの状態で最終的に架橋化してその形態を固定するという点で,パーマネントプレス加工と異なる。これらの加工法は形態安定加工という呼名に統一された。…

【防しわ加工(防皺加工)】より

…しかし,ウォッシュ・アンド・ウェア性に優れたポリエステル綿混織物の普及につれ,ウォッシュ・アンド・ウェア加工は一部のものを除いてすたれた。その後,より優れたウォッシュ・アンド・ウェア性をもち,洗濯に耐えられるプレスひだを与えるパーマネントプレス加工が始まった。加工したものは汚れが取れにくく,また,風合いが硬くなりがちなため,SR加工や柔軟加工と併用することが多い。…

※「パーマネントプレス加工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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