日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワイシャツ」の意味・わかりやすい解説
ワイシャツ
わいしゃつ
背広の下に着用するシャツのこと。ネクタイとともに着装する。英語のホワイト・シャツwhite-shirtが日本語に転訛(てんか)した語とされる。日本では明治末期にホワイト・シャツが一般に着用されるようになったが、大正初期にかけてワイシャツという用語となって定着した。さらに昭和初期、もともとの意味を超えて背広の下に着るシャツとして使われるようになった。したがって白以外の色物や柄(がら)物などのシャツもワイシャツとよんでいる。襟腰付きのカラー、前あきボタン留め、カフスがつくのが特徴。袖(そで)は長袖だが、最近では夏季用として半袖もつくられている。木綿、麻、絹、ウール、ポリエステルを素材とした、ブロード、オックスフォード、バチスト、ポプリン、シャンブレーなどの、いわゆるシャツ地(シャーティングshirting)が用いられる。
カラーやカフスは、流行やワイシャツの種類により種々の型があるが、礼装用のドレス・シャツは、糊(のり)付けした取り外し式のカラーとカフスが特徴である。通常用ではシングル・カフスとダブル・カフスとがある。襟は標準型のレギュラー、襟先をボタンで留めるボタンダウン、ピンで留めるピンホール、タブ付きのタブ・カラーなどがあり、襟先のポイントは長いもの、短いもの、丸いものなどがある。ワイシャツのサイズは、襟回り寸法と、裄(ゆき)寸法とで決められる。
[深井晃子]