ヒルビリー(英語表記)hillbilly

翻訳|hillbilly

デジタル大辞泉 「ヒルビリー」の意味・読み・例文・類語

ヒルビリー(hillbilly)

田舎者を軽蔑的によんだ語から》カントリー音楽、なかでも泥臭さのあるものをさす語。これとロックンロールが合体してロカビリーが生まれた。ヒルビリーミュージック
見かけをかまわない無骨な感じを与えるファッションのこと。プアールックに通じるもの。→プアールック

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ヒルビリー」の意味・読み・例文・類語

ヒルビリー

  1. 〘 名詞 〙 ( [アメリカ] hillbilly ) アメリカ中南部、アパラチア山脈南部の丘陵地帯に住む農民の意から、その地方の人々の間に発達したカントリー音楽のこと。素朴さとユーモラスな持味で知られる。ロックンロールと合体してロカビリーが生まれた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ヒルビリー」の意味・わかりやすい解説

ヒルビリー
hillbilly

アメリカの田舎白人の音楽の一種。南東部山岳地帯(アパラチア山脈周辺)の伝統的なダンス音楽に基づく。ギター,5弦バンジョー,フィドルバイオリン)などの楽器を用い,鼻にかかった声による悲しげな歌のつくものが多く,カントリー・ミュージックと同義にも用いられる。元来この言葉は南東部山岳地帯などの出身者に対する蔑称だったが,1925年にレコード業界で彼らの音楽を指すために使われ始め,第2次世界大戦が終わるころまで使用された。なお50年代になって,アメリカ南部のカントリー的なロックンロールが,ヒルビリーと合成したロカビリーrockabillyの語で呼ばれ,エルビス・プレスリーらによってヒットした。
カントリー・ミュージック
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルビリー」の意味・わかりやすい解説

ヒルビリー
ひるびりー
hillbilly

アメリカのカントリー音楽の一種。アメリカ中南部アパラチア山脈地方の人たちを「山人、山の地方の人」といった意味でヒルビリー(ズ)とよんだことから、この地方の農民や木こりの間におこった歌、あるいはその訛(なま)りの強い歌い方をさしていたが、この地方に発達したマウンテン音楽をヒルビリーとよんだ時代もあった。1925年にテネシー州ナッシュビルの放送局が始めたカントリー・アンド・ウェスタンショー「グランド・オール・オープリ」を中心に発展したポピュラーな歌をヒルビリーと称するようになり、1940年代以降はマウンテンと対照的に用いられ、現在はカントリーという呼称が一般的になっている。

青木 啓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヒルビリーの言及

【ジャズ】より

…50年代半ばには,白人のカントリー・ミュージックと黒人のリズム・アンド・ブルースが合成されてロックンロールrock’n rollが生まれる。さらにカントリー歌手エルビス・プレスリーが,よりカントリーの要素を強めてロカビリーrockabilly(rockとhill‐billyの合成語。ヒルビリーはカントリー・ミュージックないしその泥臭いものをいう)をつくり出し,黒人世界よりもはるかに広い聴衆を獲得することになる。…

【ジャズ】より

…さらにカントリー歌手エルビス・プレスリーが,よりカントリーの要素を強めてロカビリーrockabilly(rockとhill‐billyの合成語。ヒルビリーはカントリー・ミュージックないしその泥臭いものをいう)をつくり出し,黒人世界よりもはるかに広い聴衆を獲得することになる。一方60年代には,伝統的に黒人音楽に親近感を抱いてきたイギリスから,ビートルズ,ローリング・ストーンズといったグループが生まれ,プレスリーの影響を強くうけながらも,リズム・アンド・ブルースを基盤に世界的な人気者となった。…

※「ヒルビリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android