カントリーミュージック(その他表記)country music

翻訳|country music

デジタル大辞泉 「カントリーミュージック」の意味・読み・例文・類語

カントリー‐ミュージック(country music)

カントリー‐アンド‐ウエスタン

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カントリーミュージック」の意味・わかりやすい解説

カントリー・ミュージック
country music

アメリカ白人のうちいなかに住む大衆を主な聴衆とするポピュラー音楽。カントリー・アンド・ウェスタン,あるいはそれを略してC & Wとも呼ぶ。アパラチア山脈地方を中心に伝承されてきたイギリス系民謡が,南部の黒人音楽との接触によりブルースの感覚とかアフリカ起源の楽器バンジョーを取り入れ,1920~30年代におけるレコードやラジオの普及にうながされて現代的な民衆音楽として発展したものである。ごく初期では民謡と明確な境界線は引きがたいが,ミシシッピ州生れのロジャーズJimmie Rodgersが27年にギター弾き語りでセンチメンタルな歌をレコード録音し,これが評判になって以来,プロの歌手による商業音楽として急速に成長した。30年代にはギター,バンジョー,バイオリンなどの楽器によるグループ演奏の形が多くなり,やがてスチール・ギタードラムも加わり,ギターも電気ギターに変わって,演奏形態は多様化した。この時期,映画の西部劇と結びついて,カウボーイ姿で西部民謡調の曲を歌って人気を得る者も多く,西部開拓時代のいなかの生活を美化する懐古的かつ反都会的な心情がこの音楽の特徴となった。そのため第2次世界大戦前後の愛国心の高揚期に,カントリー音楽最盛期を迎える。戦後は,アラバマ州出身のH.ウィリアムズが,悲哀に満ちた美しい声で全国的な人気を博したが,53年に彼が死亡したあと,ロックフォーク・ソングの隆盛に押されがちとなった。60年代以降,ロックやフォークとの中間的なスタイルが生み出されたり,ヒッピー風のカントリー歌手ネルソンWillie Nelsonが現れたりして,形を変えながら現代に至っている。
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百科事典マイペディア 「カントリーミュージック」の意味・わかりやすい解説

カントリー・ミュージック

米国南部のイギリス系移民の民謡が黒人音楽と結びついて発達したポピュラー音楽。後に南西部に広がりカウボーイ音楽と結びついてカントリー・アンド・ウェスタン,C & Wと呼ばれるようになった。田舎に住む白人を主な聴衆とする。
→関連項目イーグルスザ・バンドジャレットスチール・ギターテックス・メックスナッシュビルバンジョープレスリーペイジマンドリンロカビリーロックンロール

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世界大百科事典(旧版)内のカントリーミュージックの言及

【ポピュラー音楽】より

…上記の2種は,白人系音楽と黒人系音楽にそれぞれ当てはまるものではない。メーンストリーム音楽で活躍した黒人歌手もいるし,白人が担い手でありながら,カントリー・ミュージックはローカルな下層大衆の音楽であった。そして,本来はサブカルチャーとして作り出されたジャズやロックンロールが,次々に音楽業界の生産様式の中に組み込まれてメーンカルチャー化してゆく,というのがアメリカのポピュラー音楽に典型的な図式であるが,アメリカが世界資本主義の覇者となった第1次世界大戦以後,この図式はアメリカ国内だけでなく国際的な規模で適用されることとなる。…

※「カントリーミュージック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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