ビオッティ(読み)びおってぃ(英語表記)Giovanni Battista Viotti

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビオッティ」の意味・わかりやすい解説

ビオッティ
びおってぃ
Giovanni Battista Viotti
(1755―1824)

イタリアバイオリン奏者、作曲家。幼少時から際だった楽才を示し、初めは師のブニャーニに連れられ、のちには1人でヨーロッパ各地を演奏旅行、1780、90年代には当代最高のバイオリン奏者とみなされた。90年代からはロンドンパリ劇場の音楽監督、指揮者を務め、晩年には短期間パリ・オペラ座の監督も務め、ロンドンに没した。彼の演奏はイタリアのバイオリン演奏技巧の伝統を引き継いだもので、輝かしさ、的確さ、洗練された音色にとくに優れていたとされる。彼の作品は29曲のバイオリン協奏曲によって代表され、古典的な形式の枠のなかで、イタリアの演奏技巧とロマン派を予感させる感情表現とが融合されている。

[美山良夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビオッティ」の意味・わかりやすい解説

ビオッティ
Viotti, Giovanni Battista

[生]1755.5.12. フォンタネット
[没]1824.3.3. ロンドン
イタリアの作曲家,バイオリニスト。音楽愛好家の父にバイオリンの手ほどきを受け,1768年トリノへ行き,G.プニャーニの弟子となった。 82年パリでデビュー,マリー・アントアネットの宮廷音楽家となった。 92年ロンドンでイタリア・オペラを指揮。 1819~22年パリのオペラ座の指揮者。主作品は 29のバイオリン協奏曲,弦楽四重奏曲,弦楽三重奏曲,室内楽曲など多数。

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