最新 地学事典 「ビジャリカ火山」の解説
ビジャリカかざん
ビジャリカ火山
Villarrica volcano
南部アンデスの活火山。チリで最も活動的な火山の一つで,首都サンチアゴの南約600km(39°42′S, 71°93′W)に位置する。山頂に直径200mの火口のある均整のとれた美しい成層火山で,四方に裾野を広げ,基底直径約25km,標高2,847m,基底からの比高約1,600m,付近の氷河湖とともに国立公園に指定。山体は一見単一の円錐形火山にみえるが,三重構造になっている。標高約2,000mに見え隠れする直径6kmほどのカルデラを境に,下半部の外輪山をなす古期成層火山と,中央火口丘として大きく成長してカルデラの大部分を埋めつくす新期成層火山とからなる。さらに約3500年前に山頂部に直径2kmほどのカルデラが形成され,その中に円錐形の火山が成長し,現在に至っている。歴史時代の噴火頻度は高く,1558年から2022年までに100回以上の噴火記録がある。一般に小~中規模の噴火で,スコリアを主とする火砕物を降下させることが多く,しばしば溶岩流出を伴う。噴火時,山頂部の氷帽が溶かされてラハールを誘発することも多く,山麓ではしばしば深刻な土石流災害が発生,1948~49年に36人,64年22人,71年15人の犠牲者と多くの物的被害が出ている。噴出物は玄武岩~安山岩質。ビヤリカ火山とも。
執筆者:勝井 義雄・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

