日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビスワ川」の意味・わかりやすい解説
ビスワ川
びすわがわ
Wisła
ポーランドの東部から中部および北部にかけて貫流する同国最大の大河。英名ビストゥラVistula、ドイツ名ワイクセルWeichsel、ロシア語表記はВисла/Visla。ウィスワ、ウィスラ、ビスラとも書く。カルパティア山脈、ベスキド山中北側に発し、初めは北東に流れるが、サン川が合流してからは北流し、首都ワルシャワ北部で西に方向を転じ、ブーク川、ドルベンツァ川などの支流を集め、ビドゴシチ付近から急に北流してグダニスク(ダンツィヒ)でグダニスク湾を通じてバルト海に注ぐ。全長1090キロメートル、流域面積19万8500平方キロメートル。ワルシャワ付近から下流は舟運に大きな役割を果たしている。かつては旧ソ連国境から旧東ドイツ国境に至る運河があり、これによって西のオーデル(オドラ)川と結ばれていた。
[三井嘉都夫]