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ビチクチ(その他表記)bichikchi

改訂新版 世界大百科事典 「ビチクチ」の意味・わかりやすい解説

ビチクチ (必闍赤
)
bichikchi

中国,元代および清代の官名。元代ではモンゴル君主の親衛隊たるケシクに属し,文書業務を担当した。なかにはバトゥに仕えたコルグズのように,行政全般に絶大な力をふるうものも現れた。モンゴル語で文字,文書,書物をビチクbichikといい,それに人を表す-chiがついた形。イル・ハーン国,キプチャク・ハーン国などの各モンゴル政権に広く存在した。清代のビトヘシbithesi筆帖式はこの訛音である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 正明 杉山

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビチクチ」の意味・わかりやすい解説

ビチクチ(必闍赤)
ビチクチ
bichighchi

モンゴル語で,中国の元・清時代の公文書書記,翻訳官。モンゴル帝国では,大ハン,諸皇子に個別的に隷属ウイグル文字に通暁したため,各オルドの各種の支配統治事務を担当,単なる翻訳官以上の存在だったとされる。元代では蒙古必闍赤と称され,モンゴル語をパスパ文字で書写することを職務とし,翻訳官をも兼ね,中央の主要官庁およびモンゴル的機関に配属された。この官職は元代では漢人にも一応開放されていたが,清代ではビトヘシ (筆帖式) と称され,八旗旗人にのみ開かれていた。

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