箱の蓋(ふた)を開くと突然人形などがばね仕掛けで飛び出す玩具(がんぐ)。1892年(明治25)ごろ、薄紙で七福神や天狗(てんぐ)の面などをつくって、下の口を小板に張り付けてもみ縮め、下の口を吹くと、突然30センチメートルほどの福禄寿(ふくろくじゅ)の長頭が出るものが流行した。幕末のころ江戸の幇間(ほうかん)某の創案したものといわれる。その後改良が加えられて、洋布張りの小箱の中に、布製の蛇(へび)や奇怪な動物類を押し縮めて入れておき、箱の蓋を開けると、ばねの作用でそれらが勢いよく飛び出すものが現れた。明治時代には、卵からひよこが飛び出すものが教育玩具として売り出されたこともある。1915年(大正4)には、箱の内部にぜんまいを仕掛けたものが登場した。昭和時代に入るとふたたび流行期を迎えて、子供の玩具から、大人の座興のいたずら玩具まで各種のものが出現。最近は、数個の箱を一つずつ開けていくと、中からばねの利いた蛇が飛び出す手品式のものもある。欧米にもJack in the boxとよぶ同様な玩具がある。
玩具の一種。箱のふたを開くとばねじかけで中から人形の首などが飛び出して驚かせる。1892年ごろ薄紙で七福神の福禄寿や天狗の面などをつくり,その口を小板にはりつけ,これをもみ込んでおき,口から吹くと突然30cmほど飛び出るものが流行した。幕末のころ江戸の幇間(ほうかん)が考案したものという。その後改良を加え,洋布張りの小箱に布製の蛇などを入れ,箱を開くとばねの作用で勢よく飛び出すものができた。この種のものは外国にもあり,英語ではjack-in-the-boxという。
執筆者:斎藤 良輔
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