ピア基礎(読み)ピアきそ(その他表記)pier foundation

改訂新版 世界大百科事典 「ピア基礎」の意味・わかりやすい解説

ピア基礎 (ピアきそ)
pier foundation

建造物の荷重地盤中の硬い層に伝えるため,地業(じぎよう)としてコンクリート主体とした太い棒状のもの(ピアという)を用いた基礎。ピアはいわば杭の大規模なもののことであるが,建築土木では多少定義を異にしている。建築では,地盤に直径80cm以上のたて孔を掘り,その中にコンクリートを打ち込んで杭としたもので,長さが直径の3~5倍以上のもの,あるいは,杭との区別は,杭は地中に打ち込み,または圧入されたもので,ピアはうがたれた地中の孔に何らかの地業を行ったものとしている。これに対して,土木では下方先端に刃物をつけた鉄筋コンクリート製の角,または円筒断面の箱をまず地上におき,先端の土を掘り取って自重や加えた荷重で沈めていき,箱の上部は箱をさらに継ぎ足し,刃先を支持層位置まで達せさせて底の部分にコンクリートを打ち,その上はコンクリート,または土砂を詰める構法のケーソンを指すことが多い。
基礎 →ケーソン
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百科事典マイペディア 「ピア基礎」の意味・わかりやすい解説

ピア基礎【ピアきそ】

橋脚,ビルなどの一般的な基礎の一つ。土木の分野では,鉄筋コンクリート,鋼材木材などで筒状の構造物(ピアpier)をつくり,内部の土砂を掘削して,自重および上載荷重を加えて必要な深さまで沈め,必要があれば内部をコンクリートなどで充てんしたものをいう。建築では地盤に掘ったたて孔にコンクリートを打ち込んで杭としたものをいう。
→関連項目基礎

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世界大百科事典(旧版)内のピア基礎の言及

【基礎】より

…(2)杭基礎 杭基礎は構造物からの荷重を杭などの地業によって地盤に伝える形式の基礎で,直接基礎では支持が困難な軟弱地盤や重量の大きい構造物の場合に用いられ,一般に構造物の荷重を深いところにある良質な地盤に伝える(図2)。ピア(柱造の構造物)を地業に用いるピア基礎は,建築の分野では杭基礎に含めているが,土木の分野では後述のケーソン基礎に含めることが多い。フーチング部分は直接基礎の場合の独立フーチング基礎,連続フーチング基礎,複合フーチング基礎やべた基礎あるいははりの形をとる。…

※「ピア基礎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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