ふしぎの国のアリス(読み)ふしぎのくにのアリス(英語表記)Alice's Adventures in Wonderland

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イギリスの童話作家ルイス・キャロルの空想物語。1865年刊。1862年7月4日のテムズ川遊びにおいて,キャロルがオックスフォード大学クライスト・チャーチの学寮長ヘンリー・ジョージ・リデルの娘アリスらに語り聞かせた「地下のアリス」Alice's Adventures Undergroundをもとに推敲を重ね,ジョン・テニエル挿絵を付して出版したもの。続編『鏡の国のアリス』Through the Looking-Glass and What Alice Found There(1872)と並んで,一見たわいのない童話のようで,実は超現実主義的な想像力に裏づけられた幻想を含み,ごろ合わせやもじりに満ちており,ノンセンス文学古典とされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イギリス19世紀の作家ルイス・キャロルの児童向けファンタジー。最初は同名の少女アリス・リデルのために語られたものが、1865年にテニエルの挿絵入りで出版されて評判をよび、いまでは世界数十か国語に訳され、親しまれている。夏の昼下がり、アリスはふと見かけた白兎(しろうさぎ)の後を追って兎穴に潜り込み、地下の不思議の国に行き着く。この国では、食べ物しだいで身の丈が伸び縮みしたり、トランプのカードたちが法廷を開いていたり、およそ地上の生活では考えられないことばかり起こる。登場するのはいずれも、イギリスの民謡や伝説などで古くから子供たちに親しまれてきた名前、もしくはそのパロディーで、この異形の群れのなかを健全な常識人のアリスは思うさま引きずり回され、最後に夢から覚めてほっとする。その徹底したナンセンスの精神と、語呂(ごろ)合せや新造語の氾濫(はんらん)は、その後の世界幻想文学史上に多くの影響をもたらした。姉妹編に『鏡の国のアリス』がある。[矢川澄子]
『矢川澄子訳『ふしぎの国のアリス』(新潮文庫) ▽生野幸吉訳『鏡の国のアリス』(1972・福音館書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

オーバーシュート

感染症の爆発的な感染拡大を指す。語源は、「(目標を)通り越す」「(飛行機などが停止位置を)行き過ぎる」という意味の英語の動詞「overshoot」。2019年12月に発生した新型コロナウイルスに関して...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ふしぎの国のアリスの関連情報