フレービン(読み)ふれーびん(英語表記)Dan (Donald) Flavin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フレービン」の意味・わかりやすい解説

フレービン
ふれーびん
Dan (Donald) Flavin
(1933―1996)

アメリカのマルチ・メディアの造形作家ニューヨーク市に生まれ、コロンビア大学で社会学を学ぶ。初めは抽象表現主義、およびジャスパー・ジョーンズの影響を受けたが、1961年『電気の光のイコン』を制作。63年以降、蛍光管を用い、明るい展示場にそれを配置する昼行灯(ひるあんどん)風の作品によってミニマル・アーティストとみなされた。その後は多様な色彩の蛍光管を組み合わせ、光による空間構成を試みた。95年グッゲンハイム美術館ソーホー新館で、没後の99年にはミラノのプラダ・ファウンデーションで回顧展が開催された。

藤枝晃雄・小西信之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フレービン」の意味・わかりやすい解説

フレービン
Flavin, Dan

[生]1933.4.1. ニューヨーク,ジャマイカ
[没]1996.11.30.
アメリカの美術家。ライト・アートの作家の代表格とされる。コロンビア大学で学んだが,美術は独学。初め抽象表現主義的な絵画を描いていたが,絵画からオブジェ関心移し電球のあるオブジェを経て,1964年からケイ光管だけを用いた作品へ移った。部屋のコーナーや壁にケイ光管を設置したもので,冷たい寡黙な光のディスプレイといえる。環境芸術の1つともみられる。代表作『緑を使わなかったモンドリアン捧ぐ』 (1966) など。

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