ブラックバス(読み)ぶらっくばす(その他表記)large-mouth bass

デジタル大辞泉 「ブラックバス」の意味・読み・例文・類語

ブラック‐バス(black bass)

スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚全長約50センチ。体に暗色斑があり、口が大きい。北アメリカ原産で、日本には大正14年(1925)箱根芦ノ湖に釣り魚として移入され、以来各地湖沼繁殖在来の魚などを貪食し害魚とされる。おおくちバス。
[補説]書名別項。→ブラックバス

ブラックバス[書名]

神吉拓郎短編小説。同作を表題作とする短編小説集は昭和56年(1981)の刊行で、他に「かぼちゃの馬車」「二ノ橋柳亭」などの作品を収める。

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精選版 日本国語大辞典 「ブラックバス」の意味・読み・例文・類語

ブラック‐バス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] black bass ) スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚。全長五〇センチメートルほどになる。口が大きく、体色は全体に黒ずんでいる。北アメリカ原産で、日本には大正一四年(一九二五)に箱根の芦ノ湖に釣り魚として移殖。肉食性で、貪食。雄が岸辺の浅所の砂底に穴を掘って巣を造り、卵や稚魚を保護する。近年ゲームフィッシングブームにより、全国各地に移殖され、在来の生物相に大きな影響を与えている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラックバス」の意味・わかりやすい解説

ブラックバス
ぶらっくばす
large-mouth bass
[学] Micropterus salmoides

硬骨魚綱スズキ目サンフィッシュ科に属する淡水魚。ブラックバスは俗称で、標準和名はオオクチバス。またラージマウスバスオオクチクロマスの別名もある。北アメリカ大陸東部の原産で、近縁種にコクチバスM. dolomieuiなどがいるが、ブラックバスは口の後端が目よりも後ろに達することでこれらと区別できる。幼魚には体側中央に暗色の縦縞(たてじま)があり成長とともに不明瞭(ふめいりょう)となる。日本には1925年(大正14)箱根の芦(あし)ノ湖に釣魚として移殖された。その後、私的な放流が繰り返され、現在では東北地方以南の各地の湖沼に分布するようになった。肉食でエビ類や小形の魚類を貪食(どんしょく)するため生態系への影響が心配されている。産卵期は5~7月で、雄がつくった産卵床に雌が粘着卵を産む。その後は雄が卵と孵化仔魚(ふかしぎょ)を保護する。3、4年で成魚となり体長50センチメートルに達する。

 アメリカではもっとも重要なゲームフィッシュの一つであり、日本でもその強い視覚捕食性を利用したルアーやフライによる釣りの対象魚として人気が出てきた。皮に独特の臭みがあるが、それを除くと美味である。ただし、本種の寄生虫や疾病には不明な点が多く、生食は避けたほうがよい。

[朝比奈潔]

釣り

ブラックバス専用のルアーを、リール竿(ざお)で投げて釣る。水面から底までをトップ・ウォーター、シャロー・レンジ、ミッド・ウォーター、ボトム・レンジの四つに分け、各層で魚を誘い出すルアーを使い分ける。

 ルアーはリールを巻くスピードや竿の使い分けなどによって、それぞれ個性的な動きの変化をみせ、これがブラックバスを誘惑する。また、プラスチック・ワーム(ミミズ)の擬餌鉤(ぎじばり)で底を専門にねらっても釣る。

 ゲーム性の高い魚だからルアーで釣るのが本筋で、アメリカではトーナメント賞金などで暮らすバス・プロといわれる人たちもいる。餌(えさ)釣りならドバミミズや生きたモエビでのウキ釣りで楽しめる。春から秋が好機。

[松田年雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「ブラックバス」の意味・わかりやすい解説

ブラックバス
large-mouth bass
Micropterus salmoides

スズキ目サンフィッシュ科の淡水魚。ブラックバスは和製英語。別名はオオクチバス,ラージマウスバス,オオクチクロマス。北アメリカ大陸南西部原産で,1925年に箱根の芦ノ湖に移殖された。このとき,近縁のコクチバスとともに放流されたが,現在は本種のみが生存している。近年各地に放流され,急激に増加しているが,生態系に与える影響が心配されている。流水より湖沼などの止水を好み,小型の魚類やエビを食べる。産卵期は5~8月で,雄が砂れき底に穴を掘り,産卵床をつくる。そして,雌に産卵させる。産卵後は雄が害敵を追い払ったり,胸びれで水を送ったりして,卵を保護する習性がある。暖かい水を好み,水温15℃以下では活動がにぶる。原産地の北アメリカでは釣魚としてたいへん重要な種であるが,近年日本でもルアーやフライを用いたゲームフィッシングの流行により,対象魚として人気が高くなった。北アメリカ大陸では全長70cmになるが,日本では50cm程度までである。北アメリカでは重要な食用魚である。
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百科事典マイペディア 「ブラックバス」の意味・わかりやすい解説

ブラックバス

サンフィッシュ科の魚。ブラックバスは和製英語で正しい英名はラージマウスバス。日本ではオオクチバスという。スズキに似ている。北米南西部原産で,1925年芦ノ湖へ移殖され,戦後各地に広まった。暗緑色。岸近くの浅所にすみ,水生昆虫,小魚などを食べる。北米では全長70cmになるが,日本では50cm程度。釣の対象魚として近年とみに人気がある。北米では重要な食用魚。日本ではあまり食用にされないが,味は意外にいい。オオクチバスは外来生物法により特定外来生物に指定されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラックバス」の意味・わかりやすい解説

ブラックバス
black basses

スズキ目サンフィッシュ科オオクチバス属の魚。カナダ南部からメキシコにかけての湖沼,河川に分布し,8種ほどが知られるが,各地に放流もされている。オオクチバス Micropterus salmoides は静水に最も普通のもので,全長は普通 40cmぐらいであるが,1m近くにもなる。日本には 1925年に移入され,神奈川県の芦ノ湖に放流されたものが最初といわれる。

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農林水産関係用語集 「ブラックバス」の解説

ブラックバス

米国より移入されたオオクチバスとコクチバスの総称。

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