ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラワツキー」の意味・わかりやすい解説
ブラワツキー
Blavatsky, Helena
[没]1891.5.8. イギリス,ロンドン
ロシアの神智学者,心霊主義者。オカルティズム,心霊主義に興味をもち,インド,チベットに滞在した際にヒンドゥー教のグルのもとで指導を受け,啓示を授かったと主張した。1875年ヘンリー・スティール・オールコット,ウィリアム・クアン・ジャッジらとともにアメリカ合衆国のニューヨークに神智協会を創設。民族,信仰,性,身分の差を超越した普遍的,人道主義的な共同体の形成を目指し,宗教,哲学,科学の比較総合研究を試みた。1879年インドに渡り 1882年に神智協会本部を設置,支持を得た。みずからをたぐいまれな超能力をもつと主張したが,インドのマスメディアは彼女の行なう心霊現象はでっちあげであると糾弾した。またイギリスの心霊現象研究協会は,調査の結果ブラワツキ―は詐欺師であると断言した。晩年はドイツ,ベルギー,イギリスに在住。主著『ベールをとったイシス』Isis Unveiled(1877),『シークレット・ドクトリン 宇宙発生論』The Secret Doctrine(1888),『神智学の鍵』The Key to Theosophy(1889),『沈黙の声』The Voice of the Silence(1889)。
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