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神智学 しんちがくtheosophy

翻訳|theosophy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神智学
しんちがく
theosophy

語源的にはギリシア語の神 theosと知恵 sophiaから成り,異常な神秘的体験や特別な啓示によって,通常の信仰や推論では知りえない神の内奥の本質や行為についての知識をもつという哲学的,宗教的思想の総称。哲学的神智学としては新プラトン派,グノーシス派,ドイツ神秘主義などがあり,神智学者としては J.エリウゲナ,J.ベーメらが有名。このような思想は世界各地にみられ,インドのヨーガやサンキーヤ哲学,イスラムの神秘思想スーフィズムはその代表的なもの。

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デジタル大辞泉の解説

しんち‐がく【神×智学】

神秘的直観によって神の啓示にふれようとする信仰・思想。

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百科事典マイペディアの解説

神智学【しんちがく】

英語theosophy(ギリシア語theos〈神〉+sophia〈叡智〉に由来)などの訳。聖なる啓示の直観的認識,また狭義にブラバツキーとH.S.オルコットの創設(1875年)になる神智学協会Theosophical Societyの教説と運動の称。
→関連項目カンディンスキー抽象芸術モンドリアン

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世界大百科事典 第2版の解説

しんちがく【神智学 theosophy】

ギリシア語のtheos(神)とsophia(叡智)の合成語。すでに新約聖書の《コリント人への第1の手紙》(2:6~7)にこの言葉がある。中世,近世を通して,神もしくは天使からの啓示を内的直観により認識する際の方法,およびその認識内容を表す言葉であったが,特に宗教改革時代にはじまるプロテスタントの精神運動の中で錬金術や哲学の用語として普及した。パラケルススワイゲルフラッド,ベーメ,エティンガーらの著述の中にその例が見られる。

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大辞林 第三版の解説

しんちがく【神智学】

通常の人間的な認識能力を超えた神秘的・直観的霊知によって、神を体験・認識しようとする神秘説。グノーシス主義・新プラトン派などの神秘主義にうかがえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神智学
しんちがく
theosophy

神の認識を求め、究極的には人間精神と神との合一を目ざす教義体系、およびその実践方法をさす。theosophyは、ギリシア語のtheos(神)とsophia(知恵)の合成語で、『新約聖書』にも、パウロの書簡に「隠された奥義としての神の知恵」として出てくる。
 広義の神智学には、新プラトン学派、グノーシス派も含まれる。紀元2~3世紀にいくつもの宗教に結びついて多数の文書を生み出したグノーシス派によれば、人はその身体によってこの世に属するが、その霊によって神の世界に属しており、そこで人は宇宙の根源的原理を認識することによって自己救済できると説く。宗教改革以後では、パラケルスス、ヤコブ・ベーメらの著作も神智学の系列に属する。
 狭義の神智学は、1875年にブラバッスキイ夫人がH・S・オルコットとニューヨークに神智協会を設立したのを契機に、この派の教義をさすようになった。それによると、神の秩序から自然の秩序に堕落した人間の精神は、さまざまな変容を通して物質から解放され、神の知恵に帰ることを求めており、それを助けるために、神智学は知性の開発に努めなければならない、とする。
 神智学は神秘主義とは一線を画し、諸宗教間の差異を超えた普遍的倫理を追求して、運動を世界的に展開した。その影響は、W・B・イェーツをはじめ世界の多くの思想家、芸術家にも及んだ。1886年、神智協会は本部をインドのマドラス(現チェンナイ)に移し、ヒンドゥー教の教義を取り入れ、インドで発展した。[久米 博]
『ナ・クルシュナムルティ著、田中恵美子訳『大師のみ足のもとに』(1998・竜王文庫) ▽H・P・ブラヴァツキー著、田中恵美子訳『神智学の鍵』(1995・竜王文庫) ▽H・マーフェット著、田中恵美子訳『H・P・ブラヴァツキー夫人』(1990・竜王文庫) ▽A・E・パウエル著、仲里誠桔訳『神智学大要』(1994・たま出版) ▽ルドルフ・シュタイナー著、西川隆範訳『神智学の門前にて』(1991・イザラ書房)』

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世界大百科事典内の神智学の言及

【神秘主義】より

イスラム神秘主義(4)ユダヤ教 ユダヤ教においても,形式的律法主義に陥る危険に反対して神秘主義の運動があるが,特異なものとしては,主として13世紀にスペインで展開したカバラと18世紀初頭ポーランドやウクライナのユダヤ人の間に広まったハシディズムがある。カバラとはヘブライ語で〈伝承〉の意味であるが,ここでは神や世界に関して受け継がれた秘義による神智学的神秘説をいう。カバラによれば,人間には,神と世界との根源的調和を実現するために神と一つになって働く力,〈神の火花〉が与えられている。…

【パールシー】より

…しかし全体としては,しだいにヒンドゥー教へ同化していく傾向が強い。ヨーガにひかれる者は多いし,ブラバツキー夫人の主唱した神智学の影響を受け,輪廻説を信ずる傾向まである。その反面ゾロアスター教そのものに帰ろうとする動きも興り,極端な保守派として聖紐クスティをまとうのに固執している集団もある。…

【ブラバツキー】より

…ロシアの神秘思想家。神智学協会の創立者。ドイツ系のロシア貴族P.A.vonハーン大佐と著名な女流作家H.A.ファジェーエフの娘として南ロシアのエカチェリノスラフ(現,ドニエプロペトロフスク)に生まれた。…

※「神智学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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