ブルンク(読み)ぶるんく(その他表記)Hans Friedrich Blunck

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルンク」の意味・わかりやすい解説

ブルンク
ぶるんく
Hans Friedrich Blunck
(1888―1961)

ドイツの作家。ナチス時代に名声を馳(は)せた。作品は、キリスト教信仰と青年ドイツ運動の理想とを結び付けたもの。民族的、国家的理念が、ドイツ民族の歴史上の事件と結び付けて語られている。後年は、ドイツ各地の伝説集の編纂(へんさん)に力を尽くし、青少年向きの伝説集を多数刊行した。また、伝説や民衆本聖者伝に登場する人物を、伝承の、または創作されたモチーフと結び付けてメルヒェンを創作した。『エルベ河のメルヒェン』(1923)は数か国語に翻訳され、青少年のための文学全集や教科書に取り入れられた。

[小澤俊夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルンク」の意味・わかりやすい解説

ブルンク
Blunck, Hans Friedrich

[生]1888.9.3. アルトナ
[没]1961.4.25. ハンブルク
ドイツの小説家,劇作家教員の子に生れ,法律を学び官吏となり,ハンブルク大学事務官をつとめた。ナチス文学の代表者で,第2次世界大戦中,帝国文芸家協会の会長をつとめた。戦時中に 10巻の全集を刊行。郷土を歌ったバラード,童話のほか,3部作『祖先の伝説』 Urvätersaga (1925~28) など,農民生活のなかに民族の根源的活力をみた「血と土」の神話に基づく小説が多い。

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