改訂新版 世界大百科事典 「ブルーバード」の意味・わかりやすい解説
ブルーバード
bluebird
スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。ルリツグミの名もある。鳥学上はルリツグミ属3種の総称として用いられる。3種とも雄の背面が美しい青色をしていることからこの名がある。北アメリカに分布し,明るい林,農耕地,庭園などにすみ,美しい声でさえずる。ふつうは木のほらに営巣するが,しばしば巣箱も利用するので人々に親しまれている。全長は約14cm。東部のルリツグミSialia sialis(英名eastern bluebird)は雌雄とも胸が赤く腹は白い。雌の頭と背は灰褐色。ロッキー以西のチャガタルリツグミS.mexicana(英名western bluebird)は雄の肩が赤褐色である。西部の山にすむムジルリツグミS.currucoides(英名mountain bluebird)は雄の下面は淡青色,上面も明るい青色でとくに美しい。3種とも冬はやや南に移動する。春,毎年同じ時期にさえずり始める春告鳥の一つでもある。おもに地上の昆虫を見つけて食べる。ルリツグミは,ニューヨーク,ネバダ,ミズーリの州鳥に選ばれている。メーテルリンクの戯曲《青い鳥》はこれらの鳥とは関係なく,ヨーロッパ産のハトの1種を幸福の象徴としたものである。
執筆者:竹下 信雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報