ブレーメンの音楽隊(読み)ブレーメンノオンガクタイ(英語表記)Die Bremer Stadtmusikanten

デジタル大辞泉 「ブレーメンの音楽隊」の意味・読み・例文・類語

ブレーメンのおんがくたい【ブレーメンの音楽隊】

原題、〈ドイツDie Bremer Stadtmusikantenグリム童話の一。老いて飼い主に冷遇されるロバが、家を出てブレーメン音楽隊に入ろうとする。旅の途中で似た境遇の犬・猫・雄鶏と出会い、安住を得る。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブレーメンの音楽隊」の意味・わかりやすい解説

ブレーメンの音楽隊 (ブレーメンのおんがくたい)
Die Bremer Stadtmusikanten

《グリム童話》20番の話。老いたロバが主人に冷遇されるので逃げ出し,ブレーメンへ行って町の音楽隊にやとってもらおうと思う。途中で同じような境遇の猟犬,猫,雄鶏を誘って行く。夜になり,森の中で野宿しようとするが,雄鶏が遠くに明りを見つけたので,そこへ行くと,強盗のすみかで,強盗たちがごちそうを食べている。ロバ,犬,猫,雄鶏の順で背中に乗って大声で叫ぶと強盗たちは逃げ出す。動物たちはごちそうを食べて寝る。夜中に強盗の一人が偵察に戻ると,猫に襲われ,犬にかまれ,ロバに蹴られ,雄鶏に叫ばれる。強盗は怪物がいるものと思って逃走し,動物たちは安住する。後半部は日本の猿蟹合戦を思わせるが,同趣の話の最古の記録は,イソップ寓話である。またインドの《パンチャタントラ》,ペルシアの《トゥーティー・ナーメ》にもみられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレーメンの音楽隊」の意味・わかりやすい解説

ブレーメンの音楽隊
ぶれーめんのおんがくたい
Die Bremer Stadtmusikanten

グリム童話で名高い昔話。老いたロバが飼い主から見捨てられたために、ブレーメンの町の音楽隊に入ろうとして出かける。途中、同じような運命にある犬、猫、雄鶏(おんどり)らと道連れになる。その夜、森の泥棒の家に行き、一斉に鳴きだして泥棒をびっくりさせ追い出してしまう。そして家に住み着くことになる。ヨーロッパに広く知れ渡っている昔話であるが、アジアが話の原産地といわれる。

野村純一

『高橋健二訳『グリム童話全集1』(1976・小学館)』

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