ブーグ川(その他表記)Bug

改訂新版 世界大百科事典 「ブーグ川」の意味・わかりやすい解説

ブーグ[川]
Bug

ウクライナ西部,ベラルーシポーランドにまたがって流れる川。別称ザーパドヌイ・ブーグ(西ブーグ)Zapadnyi Bug川。ウクライナのポドリスク丘陵に源を発し,北西に流れ,ルブリン高地,ポドラシェの西端を下り,西流してワルシャワ付近でビスワ川に合流する。全長831km,流域面積7万3470km2で,ビスワ川最大の支流。中流域の大部分はカーゾン線としてウクライナ・ポーランドの国境線をなす(約320km)。12月末から3月まで結氷し,3~4月に高水位,9月に最低水位を示すが,水量は概して安定しており,ブレストより下流航行可能である。支流のムハベツ川はドニエプル・ブーグ運河でドニエプル水系のピーナ川と結ばれ,支流のナレフ川もアウグストフ運河によってリトアニア共和国のネマン川と結ばれ,水上交通上大きな役割を果たしているが,沿岸の平野の生産力は低く,大きな都市は少ない。沿岸の主要都市としてブレスト,ソカリなどがある。
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ブーグ[川]
Bug

ウクライナ南部の川。別称はユージヌイ・ブーグ(南ブーグ)Yuzhnyi Bug川。古代ギリシアではヒュパニス川と呼ばれた。長さ806km,流域面積6万3700km2。はじめボリノ・ポドリスク丘陵の標高約300mの斜面にはじまり,いくつもの支流を合わせて南東に流れ,黒海北岸のドニエプル・ブーグ湾に注ぐ。上流部はいくつかの急流と緩やかな流れが交互にあり,ペルボマイスクより下流70kmは両岸に高さ100mの急崖が続き峡谷をつくる。以下は黒海北岸の平野に出て,ゆっくり曲流する。平均流量は下流で90m3/s。上流で11月中旬,下流で1月中旬に結氷し3月中旬にとける。ボズネセンスクまで約120kmが遡航可能。定期船はボズネセンスク~ヘルソン間を結んでいる。河水は黒海沿岸の乾燥した農地灌漑に用いられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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