プシカリ(読み)ぷしかり(英語表記)Ernest Psichari

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プシカリ」の意味・わかりやすい解説

プシカリ
Psichari, Ernest

[生]1883.9.27. パリ
[没]1914.8.22. ロシニョール
フランスの小説家,軍人。父はギリシア系の言語学者,母はルナンの娘。ペギーの影響を受け,理想を追って植民地軍に志願,コンゴ,モーリタニアに長く駐屯した。 1913年無気力な平和主義を糾弾する『武器の呼び声』L'Appel des armesを発表。同年カトリック改宗修道会入りを志すが,第1次世界大戦の開始直後にベルギー戦死。小説『百人隊長の旅』 Le Voyage du centurion (1916) が死後出版された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プシカリ」の意味・わかりやすい解説

プシカリ
ぷしかり
Ernest Psichari
(1883―1914)

フランスの小説家。思想家ルナンの孫。シャルル・ペギーの影響で社会主義的理想主義の道を試みるが、当時の無神論的科学万能主義に絶望し、植民地軍に身を投じる。コンゴ、モーリタニアに駐屯(1909~12)。カトリックに改宗(1913)、ドミニコ修道会に入る直前、第一次世界大戦で戦死。死後に刊行された『百夫長の旅』Le Voyage du centurion(1916)は、「犠牲にされた世代」(ペギー)の霊的歩みを示している。

倉田 清]

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