プラトン主義(読み)プラトンしゅぎ(英語表記)Platonism

翻訳|Platonism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラトン主義」の意味・わかりやすい解説

プラトン主義
プラトンしゅぎ
Platonism

プラトンの哲学,およびその伝統。 2400年以上にわたって西洋哲学史に影響を及ぼした。本質的な構成契機は形而上学 (認識論,存在論) と倫理学であり,しかもこの両者が密接に連関しているのが特徴である。この結合はきわめて主知主義的でありながら神秘的傾向も有し,一方では認識論的懐疑論を,他方では神学的傾向を生み出した。プラトン哲学の継承は,直接的にはアカデメイアにおいてなされたが,それはアカデメイアの枠をこえて次のように継承されていった。ローマのキケロやクインチリアヌスら,新プラトン派のプロチノスやプロクロスら,アレクサンドリアクレメンスやニッサのグレゴリウスアウグスチヌスらに代表される教父哲学,アルベルツス・マグヌスエックハルト,ボナベントゥラらの中世スコラ哲学とフィレンツェを中心とするルネサンス時代の哲学,W.ウィッチコート,H.モーアらのケンブリッジのプラトニスト,そして H.スペンサーや観念論哲学に受継がれた。

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