プリツカー賞(読み)ぷりつかーしょう(英語表記)Pritzker Architecture Prize

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリツカー賞」の意味・わかりやすい解説

プリツカー賞
ぷりつかーしょう
Pritzker Architecture Prize

世界的に活躍する建築家に対して贈られる賞。1979年にアメリカのハイアットホテルアンドリゾーツHyatt Hotels and Resortsオーナーのジェイ・プリツカーJay Pritzker(1922―1999)によって設立され、ハイアット財団によって運営されている。原則として毎年1人の建築家を表彰するもので、5月に行われる授賞式でブロンズメダルと副賞10万ドルが贈られる。建築家の賞として歴史は浅いものの、建築界のノーベル賞と称(たた)えられるほどの高い権威が認められている。

 日本の現代建築は高く評価されており、丹下健三(1987)、槇文彦(1993)、安藤忠雄(1995)、SANAAサナア、Sejima and Nishizawa and Associates)の妹島和世と西沢立衛(りゅうえ)(2010)、伊東豊雄(2013)が選出されている。伊東豊雄授賞の際には、「革新的な建築概念を卓越した設計技法で表現してきた」との評価を寄せた。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プリツカー賞」の意味・わかりやすい解説

プリツカー賞
プリツカーしょう
Pritzker Prize

世界中で活躍する建築家の業績をたたえて贈られる賞。正式名称は Pritzker Architecture Prize。しばしば建築界のノーベル賞と称される。1979年アメリカ合衆国のホテルチェーン,ハイアットの創業者一族であるジェイ・プリツカーとシンディ・プリツカーが創設。ハイアット財団を設立し,賞の運営資金を提供した。建築と建築家に対する関心を高め,建造物が日常生活に与える影響の大きさを周知することを創設の趣旨とし,賞は受賞者の全作品に対して授与される。1979年以来,評論家や建築家ら 8人前後で構成される独立した審査団が毎年受賞者を決定。審査員に任期はなく,招聘により就任し,任意で辞任できる。建築士の有資格者であれば,だれでも候補者の推薦が可能。選考対象となった建築家の作品群を審査団が実際に見て回るのが特徴で,写真審査に基づく他の賞とは一線を画している。受賞者には 10万ドルの賞金銅製の記念メダル(1987年まではヘンリー・ムーア作の彫像)が贈られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android