アデノウイルスの3,7,14型などによる感染症。おもに夏,プールでうつる病気であることからプール熱と呼ばれるが,医学上は咽頭結膜熱pharyngoconjunctival feverという。学童がかかることが多い。突然の発熱,咽頭痛,眼脂(目やに),嘔吐,下痢などがみられる。これらの症状をすべて備えるというわけではなく,発熱,咽頭痛,結膜炎の3主徴をすべてもっているものは約30%といわれる。眼脂は結膜炎のためで,結膜は発赤する。一般に乳幼児では消化器症状が強い。3~7日で解熱し,余病は起こらないのが普通である。プールに入らなくても,家庭で兄弟から感染することもある。プールの後,よく洗眼し,うがいをする。
→結膜
執筆者:渡辺 言夫
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(2013-12-6)
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…病原体はアデノウイルスやエンテロウイルスなど。アデノウイルスによる咽頭結膜熱は俗にプール熱ともいわれ,夏季にプールの水を介して伝染する。また,いわゆる〈夏風邪〉はエンテロウイルスによるものが多い。…
…病変が角膜に及ぶと,角膜上皮下に小さな斑状の混濁が多発し,長期にわたり軽い視力障害を伴う。咽頭結膜熱pharyngo‐conjunctival feverは,同じアデノウイルスの3型によるもので,学校やプールなどで流行性に発症するため〈プール熱〉とも呼ばれる。5~6日の潜伏期の後に風邪の症状とともに発症する。…
…アデノウイルスには1~33型までの型があるが,このなかで8型によるものを流行性角結膜炎epidemic kerato‐conjunctivitis(EKCと略称)と称し,狭義の〈はやり目〉とする。3型によるものは咽頭結膜熱pharyngo‐conjunctival fever(PCFと略称)と呼ばれるが,プールで伝染することも多いことから〈プール熱〉と俗称される。そのほか1,7,11,19型でも類似の症状を呈し,臨床的には鑑別困難である。…
※「プール熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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